男って”バカ”なんだから
男でも漢でもおとこでもおとこのこでも、全員が胸を熱くさせるものがこの世にはある。
ロボットが合体するときの関節の結合や、アーマーを身に纏うシーケンス、爆発にナイスバディな女性、雨の降る夜にコートを着て煙草をふかすおっさん。
幼少期から刷り込まれたロマンと様式美、物言わず背中で語る男にやたらと騒がしいのにキメるところをきっちりキメるムードメーカー。
とにかく面白いことが大好きで酒を飲みながら騒ぎ続けるいい歳こいたおっさん。
単純で、目先のことしか見えていなくて、何かあればトホホと落ち込む。
それを見て「男ってほんとバカなんだから」と冷笑する女の子。
そう、男はみんなバカなんです。
それでもバカにはいくつか種類があると思っている。
傷つくことを知らないバカと、傷ついた結果そうなったバカだ。
そんなことを昨日テレビでやっていた『紅の豚』を観て感じた。
昔はジブリが苦手だった。カオナシの得体の知れなさが怖く、シシ神の常に目が真ん中にあって見通されることに背筋が凍っていたし、アリエッティのお手伝いさんは怖かったし、ポニョの半魚人みたいな状態の顔がなんとも受け入れられなかった。
ジブリアレルギーがあったのかもしれない。
それがどうしたことか、最近は怖いもの見たさよりも純粋にジブリを観ることができるようになっている気がしている。
実際に千と千尋とかを金ローとかで観ると、カオナシももしかすると自分とどこか重なっているところがあるんじゃないかなぁと感じたりするし、こうなっちゃいけないなと教訓めいた方向で学ぶことだってある。
それでも、紅の豚だけは子供ながらにロマンのある作品だと思っていた。
飄々としていながらもどこかに陰を秘めているポルコの、人間の顔ではないのに強く見せつけられる男の生き様は子供ながらに「かっこいい」を強く感じさせられるものだった。
顔を傷だらけ痣だらけにしても白い歯を見せてニカっと笑うあの顔、いくつもの死戦を潜り抜けてきたからこそ言える言葉の重み、どこかに美学を持ち、そしてそれに縋っている健気さ。
飛行艇乗りという作中ではバカな男がしていることに真っ直ぐな姿勢は、バカではなく純粋なかっこよさとして在り続けている。
バカにされることは簡単であっても、バカになるのは中々に難しく、そして愚か者になるのはなんとも簡単だ。
バカだと畏怖の念をもって称されることはもはや褒め言葉なのかもしれない。
紅の豚に出てくる男たちはみんなバカで、真っ直ぐで、自らバカであると思い思われ、バカであることに誇りすら感じているのだろう。
だからこそあの映画に出てくる女性たちはそんなバカどもを褒めるわけでも称えるわけでもなく、ただ迎え入れてくれる。
バカに至るまでを肌で感じているからこそ生まれる愛がそれではないのだろうか。そんなことを考えさせられる。
それは女性の性的搾取だのといった陳腐なくくりではなく、どんな性別であっても持つべきリスペクトの精神ではなかろうか。
そして別に自分が仮にそんなバカであったとしても、「俺ってバカだからさ〜」と言いたいわけではない。
よく「バカになれ」と偉そうに言う人がいる。
「〇〇バカ」は蔑称ではなく、馬鹿正直に物事を見つめ突き進んだ人を指す言葉なのかもしれない。
「アホ」は関西弁で愛情を含めた罵倒だという話を聞いたけれど、かつてのたくましい商人たちにとってはアホであることこそが美徳だったのかしら。
きっとこれもポリコレの波に押され、マチスモだと糾弾されてしまうのかもしれない。
そうであったとしても、たった一つのロマンを目指して突き進まんとするバカな男たちの精神は引き継がないといけないのかもしれない。
そんなことを考えさせられた。
フェミニズムについて度々考える機会があり、一応国際的な部分におけるフェミニスト的なサイドに立ち続けたいと思っているけれども、やはり男である以上「男らしさ」ではなく「男のロマン」を追い求めたい。
骨太な人生を送り、辛酸を舐め、生傷を常に抱えながらも「大したことなかった」と笑いながら煙草に火をつける男になりたい。
それを人はバカだと言うかもしれないけれど、それでいい。
バカで単純で、目先のものにすぐ引っ張られてその度に火傷をする。そんな火傷の痛みすらもまともに覚えることもなく次の何かに興味をひかれる。
そんな男になりたい。
自分自身の抱く男性像ではなく「かっこいい男性像」はどこか歪で、整合性も時代に即しているわけでもない。
でも、かっこいい男はかっこいいし、かっこいい大人になりたいんです。顔はそんなにかっこよくなくても、背中はかっこいい。そんな漢になれるものならなってみたい。
チビで小太りで豚の顔をしたあの人を見るとつい背筋が伸びる。
あぁならなくちゃなと感じさせられる人にこれからどれだけ会えるのだろうか。そんな大人に会うべく、今日も何かしら頑張りたい。
そんなことを思いつつ今日は母と立ち呑みのご飯屋さんに行って飲んじゃいました。レポートもnoteも残ってるというのに!!アホやろほんま。
書く文章がどこか背伸びしているときは大抵酔っているときです。自分でも明日これを読み返して顔を真っ赤にしながら頭を抱えます。
まぁまともに文字は打てているからとりあえずきっちりこのnoteも書き終わらせて風呂入ってレポートに取りかかりましょうかしら。
そんなわけで今日はこの辺で。おやすみなさい。
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