私もあなた達に武器をお裾分けしたい
久しぶりに本を読んで胸が震えた。
よく見ているYouTubeの動画に、ゆる言語学ラジオというものがある。
そこに出演しているパーソナリティの堀元さんと水野さんが度々言っている「本質本」というものがあり、曰くそれは「そこらのビジネス書とかではない本質を突いた言及がされている本」を指す。らしい。
「○○をした方がいい!」みたいなことではなく、実際にとてつもない努力をした人や、研究や研鑽の果てにたどり着いた至言の書かれている本が挙げられていて、実際に自分もそこで紹介された『サードドア』という本を実際に買って読んでいるけどこれがまた面白い。
今回はその本ではなく、さっき読んだ本について少し書きたい。
『僕は君たちに武器を配りたい』(著:瀧本哲史)
就職をすると突然放り出される社会。これまでの特に死に頻するような苦労がなく、後ろ盾がギリギリあった状態から一変する瞬間、若者は本当に生きていくことができるのか。
そんな時代を生き抜くためのメソッドを……みたいなことではない。
そこでゲリラ的、いわば荒波と化した社会を遊撃するために備えるべき心構えを持つことがこの本では書かれている。
どんな状況であっても生き抜くことができる武器、そしてどこであっても生き抜かんと考えられるための希望。これをどう形にするかの「ヒント」が散りばめられていた。
決してこれを読めば大丈夫!みたいなわけではなく、多分そう思う人のことをこの本は盛大に蔑むだろう。
資本主義の本質に触れ、メカニズムに即した自分を確立し、そして自分にインプットしアウトプットする出力を考える。
それこそがこの時代における武器としてのマインド。そうこの本では書かれている。と思いたい。
早速飛び込んでくるのは「コモディティ」という言葉。
市場において個性がなくなり、消費をする側からすると特に大差がない状態。それがコモディティ化だ。
例えば同じような牛丼。
よほどのファンでない限り、すき家と吉野家と松屋はどれも同じだと思うように、良いモノを安く消費することが基本になった現在ではヒトも同じように良いモノを安い給料で使いたい消費者としての心理が働くだろう。
同じような学歴、同じような資格、同じような志望動機。じゃあ何が自分を社会は評価し選別するのか。
TOEICの高いスコアの人、例えばスコア800以上が欲しいとなったらそれはフィルタになるだろうし、逆にそれを突破したとて800点以上の人が集まっているだけになる。
じゃあどうすればそこで生き残る、選ばれることができるのか。
「その他」とは違う何かになればいい。
簡単だ。これが一番難しい。
自分のどの要素がコモディティ化していて、どこが尖ったスペシャリティを持つか。努力をすれば報われるわけではない。努力は皆やっているし、そこで自分がどうすれば違うところでアピールできるか。
スペシャルであり、唯一無二であるための何かを探さなければいけない。
そんなことが詰まった本。これでまだ序章に過ぎない。
資本主義の変遷だったり、国内と海外における資本主義の捉え方、じゃあこの日本で生き残るには何をすればいいのか。起業すればいい?それが正解?
禅問答に近い資本主義という大きくも浅いシステムに対して真摯に向き合い、そこで見つかる微小な穴を全力で掘り進める。
ニッチなところを攻めたら大きな穴が開く。微妙に求められているところに全力を注げばそこのシェアは全て手に入る。
完璧で満たされていることを安く済ませたいこの社会で、どれだけの需要を見つけ、さらにそこで足掻くことができるか。
今の現状で嘆くな。それからどうしたいかを考えろ。そんなことをただただ全力で考え向き合い、そして浮かんだことを黙々とこなす。
余談だけれど、これを読んでからこうやって記事を書くまでの間に昨日まで落ち込んでいた何かは消え去ったし、さらにプレ卒、プレ卒論のテーマの深掘りまで進んだ。
多分こういうことなんだろう。とりあえず止まっていたらダメらしい。
もがき続けて、抵抗して、負けだと認めなかったらそれは負けじゃない。負けたと思っても次勝てばいい。勝つための努力と準備を徹底して、次勝てばいい。
泥臭く生きようじゃないか。そう背中を押してくれる本だった。
そんな武器を貰ったのなら、それを研ぎ澄まし、使うべき時に流れるように使いこなすことができる訓練が必要になる。
多分これは読んだだけでは活きることがない。
読んで、自分に落とし込んで初めて意味がある本ではないだろうか。自分はこれをどう研ぎ続けることができるのだろうか。
そんなことを読んでから一服しつつ考えた。とりあえずこの感動を誰かに共有しよう。そう思ってこれを書いている。
最近は怒涛の読書をしている。他にも何冊も読みたい本と読まないといけないと思っている本があるので読めたらまたご紹介します。
また、さっき貼ったリンクからAmazonで実際に買ってもらえると、8%?ほど自分に入ってくるらしいので気が向いたら買ってみてください。
買って欲しいからとかじゃなく、心からおすすめできる今月のベスト本でした。
とにかく読んで欲しい。特に同い年くらいの20代に読んで欲しい。大学生にこそ読んで欲しい。
ここで得られた武器を、誰かに使って欲しい。この経験を独り占めしたい気持ちはもちろんある。
それでも、私はこの武器をこれを読んだ人の懐に忍ばせてほしい。
そんなわけでまた明日。
ぼちぼち夏休み始まってるけどサマーリーディングリストを作りたいです。既に何冊か読み終わってるので急ぎます。
では。