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見つける才能、書ける能力

どうやら自分の選ぶ本は実写化される確率が高いらしい。

ついこの前、ある漫画が実写化されるニュースがあった。

『女子高生に殺されたい』という作品で、作者は『帝一の國』でお馴染みの古屋兎丸先生だ。

ある女子高生に殺されたいがために高校教師になった男がいかにしてその子に自分を殺されるように仕組むかを描いた作品で、上下巻の2冊だけで終わるサスペンスもの。

これを買ったのは確か高校1年の夏、東京で行われた模擬国連へ向かう新幹線に乗る前の駅の本屋だった。

新幹線に乗りながら「これ、めちゃくちゃおもろい!!」と隣の席に座っていた先輩に無理やり読ませてそれから盛り上がったのを覚えている。

まぁ、タイトルがタイトルだから敬遠されがちかもしれないけど、実際めちゃくちゃ面白い。

そもそものあらすじがサスペンスものだからアレだけど、女子高生に殺されたいというある意味ではラブストーリーとも言えなくもない(※言えない)ストーリーは最後の最後まで怒涛の勢いで走り抜ける。

その面白さを人にうまく伝えられないことが自分にとって悔しいことだと常々自覚している。

読書感想文は一瞬で書けるけどそれが賞を獲ったことはないし、作文だって自分が賞を獲った覚えはない。逆に友達の作文の課題を代筆したものが賞をもらったことはあるけれど。

中3の頃に好きだった国語のおじいちゃんの先生だけは唯一自分が書いた作文を褒めてくれ、毎授業で配られる紙に自分の記事を載せてくれた。

自分の中では誰かによって自分の書く記事が取り上げられてバズりにバズり、19億PVくらいいってもおかしくないと思い込んで毎日こうやって記事を書いている。

それがどうしたことかそこまで読まれることがないまま今月どころか今年も終わるらしいけど。

鬼滅も呪術も、ジャンプ派の自分は連載開始当時から「これは絶対に面白い!」とクラスで話していたけれどそれを聞き入れてくれる人はいなかった。

それが少し流行ると「鬼滅おもろい!」みたいなことを言い出していたのは記憶に懐かしい。

誰が死ぬかを言ってやろうかと何度思ったことか。

面白いものを見つける琴線を何本も体に張っていても、それに触れるものを見つけようと、そこから響く音がチューニングされていないのであればきっと意味がないし不快に感じる人もいるだろう。

歪んだ音を出すギターをかき鳴らしていることを今の自分とするのであれば、果たして自分は人に聞かせる音を、文字を出せているのだろうか。自分の出力が足りていないことに辟易とする。

本棚には普通ならあまり買われることのないような少々ニッチなジャンルの本がいくつも座っている。

さっき終わらせた大掃除では読んでいない本が4,5冊出てきた。正月で読もう。多分読む。きっと読もう。

読書感想文を書くことが苦手なのかもしれない。それどころか何かしらのアウトプットをすることが苦手なのかもしれない。

自分が頑張って言葉を捻り出した読書感想文が評価されずに解説をそのままコピーしたかのような綺麗事にあふれたカスみたいな感想文という名前のコピペ作文が何かの賞を獲っているのを見てからは頑張って読書感想文を書くことをやめた。

適当に感想文を書いて、メルカリで読書感想文ガチャも売った。BANされるまではそれなりに売れた。

人に読ませる文章って何をどうすれば書けるのか。さっぱり分からない。

「誰かひとり、その人にだけ届けるつもりで書けばいい」

そんなことをこの前観た映画で言われた。

それはそう。そうだけど、それでは書けないんだ。

インプットとアウトプットの中間地点でひたすら泥遊びをしている3歳児が自分だろう。

波打ち際でやってくる波に触れながら、触るたびに形を崩していく砂の山を作り続ける。そんな滑稽な姿が誰かの目には映っているに違いない。

さて、それでも書くしかない。書いて残さなければそこに自分がいる意味はないし、それ以外にアイデンティティを保証する手段をもう忘れてしまった。

今はただただ、これを書き終わらせてから吸う煙草が楽しみで仕方がない。

自分が好きであることをいかにして伝えるか。それを来年の課題にしてみようかしら。

年末になるとどんな欠点でも来年の課題になるから助かる。

とりあえず、今日はこの辺で投稿しましょうかしら。

そんなわけで今日はこの辺で。おやすみなさい。

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