晴れの日も雨の日も#275 【創作SSタケおじシリーズvol.23】あえて逆から
タケシくん、どうやら今日のミニバスケットボールの試合がうまくいかなかったようだ。
あかんわ、おじいちゃん。今日はコーチにめちゃめちゃ怒られてしもた
そうか。なんかミスでもしたか
うーん、まあ、ミスといえばミスなんやけど。。。
なんや、歯切れが悪いな
だってボクだけが悪いんと違うもん。まわりも動いてくれへんからパスの出しどころがないねん。だからドリブルで突破しようと思ったんやけど、結局、相手に囲まれてボール取られて。。ほんならコーチから「ボール持ちすぎや!」てボロクソに叱られてん
そうか、そんなことがあったか
ボク、コーチのことスキやったんやけどなあ。動きの悪い周りの人には何も言わんと、ボクだけめっちゃ叱るなんて、なんかちょっとコーチのことイヤになったわ
そらそうやなあ
それも延々とやで。ボクもちゃんと「はい」って返事してんのに。
そうか。返事してんのにまだ怒ってはるんか。
ほんでそのあとはずっとベンチで、1回も出番なしや。あんなん絶対おかしいわ
そりゃちょっとそのコーチおかしいな
そうやろ〜?
うん、絶対おかしい。そりゃヘボコーチや
ほんでも、これまではええコーチやったんやで
いやタケシ、そりゃ化けの皮が剥がれたんじゃ。
優しそうな顔してただけで、ホンマはしょうもないハナクソコーチやったんや
おじいちゃん、えらいボロクソ言うなあ
ボロクソもなにも、そんなコーチについていくことないぞ
そんな言わんでもええやん。ボクのコーチなんやで
子供の言い分に聞く耳ないなんて、その人、コーチ失格や
それはおじいちゃん言いすぎや。ボクの大好きなコーチにそんなこと言わんといて
そうか。ほんならタケシはこれからもそのコーチに一生懸命ついていくんか?
うん、もちろんや。周りの動きが悪かったら、みんなでもう1回話をして、動きをリードするようにスペースにパスを出していくことがボクの役目やもん。また頑張るわ!
どうやら、おじいちゃんは、タケシくんがコーチを信頼していることを承知の上で「あえて逆から攻める」をやってみたようだ。
似たようなことは大人でもある。
たとえば、仕事量が増えてブツブツ言っている人。「こんなん出来るわけがない」と出来ない理由をたくさん並べている。でも、御本人、結局自分が頑張るしか無いことも頭の隅では理解しておられる。
「あなたが頑張らないと」という説得がうまくいかなければ、いっそ「そりゃごもっともですね。出来るわけ無いですね。もうバンザイしますか」と逆に振ってみる手もある。「そんなことが通れば苦労はしない。みんな頑張ってるし余裕もないし、ここは自分が何とか乗り切るしか無い」となれば上々だ。「じゃあ、乗り切る方向で何ができるか考えてみましょうか」と前向きな方向に向かえるだろう。
たとえば、ホームドラマなんかでも、夫婦喧嘩の話を聞いてる人が、相手がパートナーの悪口をいうのに乗っかって、そのパートナーをさらに悪しざまに言うと、「ちょっと、私の相方をそんなふうに言わんといて!」となって夫婦仲直りする、というベタな場面がしばしば描かれる。
「あえて逆から」。時に大きな効力を発揮する。ただし、そのままその流れを加速して、望んでいない方に行っちゃても知りまへんで〜🤣
★単なる創作フィクションです。タケシくんは年齢不詳。ホンマにこんな出来過ぎクンがおったら、ちょっとキショいかも笑。
今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之
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(続く)
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