2023.12.28 シュトーレンふたつ
シュトーレン(1)
今季ひとつ目のシュトーレン、シュトレン。
真ん中にマジパンとおもわれる粘り気と甘みを持った素材が「〇」の形でナマコ型のパン生地を切断したさいの中央に配置されている。
生地には洋酒に漬け込まれていたと風味と食感から推測されるドライフルーツと、ナッツが混ぜ込まれている。
表面にはバターが塗られており(これは情報から得た知識なので味覚からの判断ではない)塗られたバターが乾く前にふるわれたことが予想される粉砂糖の重なりの層がうすく広がっている。
シュトーレン(2)
今季ふたつ目のシュトーレン、シュトレン。
真ん中にマジパンとおもわれる粘り気と甘みを持った素材が「〇」の形でナマコ型のパン生地を切断したさいの中央に配置されている。
生地には洋酒に漬け込まれていたと風味と食感から推測されるドライフルーツと、ナッツが混ぜ込まれている量が、(1)のシュトーレンより(2)の方が多いのは、ナマコ型の生地を薄くスライスしたさいの断面の密度からあきらかになった。
表面にはバターが塗られており(これは情報から得た知識なので味覚からの判断ではない)塗られたバターが乾く前にふるわれたことが予想される粉砂糖の重なりの層が、(1)のシュトーレンより(2)の方が厚い。かなり厚い。十倍ぐらいは厚い。
わたしに(1)のシュトーレンをくれた人は、玄関先でわたしにそれを渡すさい、
あんまり……
と呟いた。
呟いたのを聞いた気がする。玄関の扉を閉じる間際だったので定かではない。
あんまり……
そこに含まれる意味は、(1)のシュトーレンしか食べていなかったわたしには、わからなかった。
比較することにより過去の発言や態度で理解できなかった部分が浮き彫りになるということは、これまでも、これからも、きっとあるのだろう。
多い方がいい、厚い方がいい、というわけではなく、好みの問題、しかし、多くて厚い方が味が強くなるのはしかたがなく、印象に残りやすいのだろう。
いつも暮らしている家の方が、実家で寝るよりも落ち着く、ゆっくりたくさん眠ることができた。めずらしく夢も見ず、見たかもしれないけど覚えていない、それくらい眠れた。
今ある実家の建物には6歳から20歳まで暮らしていたから14年暮らしていて、今暮らしている家には5年住み、年数の長さよりも近々の繰り返しの方を体は記憶している。