【おことわりと御礼】
お読み頂き、どうもありがとうございます。
本作はアニメ「夏目友人帳 参」全13話のタイトル(妖しきものの名、浮春の郷、偽りの友人……以下同)を入れ込んだ13句+ラストはオリジナルの1句で、参の世界にインスパイアされて詠んだ全14句で構成しています。
インスパイアなので、物語どおりの描写ではない部分もあると思います。また季語(季節)も順不同の部分があったり、無季の句もあります。
形式は「5/7/5」「7/7」を繰り返す「連句」を基に独自にアレンジしています(実際には585など音数が多い句もあり)。
あらかじめご了承願えれば幸いです。
(ファンの方で不快に思われた方がいらしたら、申し訳ありません)
いよいよ2024年秋より「夏目友人帳 7期」の放送が決定!
「勝手に前夜祭!」と詠んだ第三弾。
7期の放送までに何とか物語る句として続けて詠んでいければと思います。
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【「参」を詠んでみた感想と想い】
参に限らず、夏目友人帳のエピソードごとのタイトルは素敵なので、入れ込んで上手に詠みたいのですが、実際にはどれもいつもなかなか難しく(^_^;)。
特に今回は「~もの」というタイトルが多く(妖しきものの名、蔵にひそむもの、人ならぬもの 等)、「どうやって575(または77)の型にリズム良く入れ込めばいいんだ💦」と。しばしば唸りました。
エピソードの内容やイメージを示唆する言葉を入れつつ、タイトルも入れて、さらに可能なら季語(参の季節は夏→秋)も入れて……
この縛りは普通に俳句を作るよりも私的には大変で、ある意味いい訓練になった感じです。
この試み(物語る句の作成)は所詮、自己満足に過ぎないのですが、一個の俳句詠みとしてどうしても詠みたいと思わせる魅力が夏目友人帳にはあります。
それは季節感を大事にした物語づくりが原作・アニメに貫かれており、「出会いと別れ(生死)を大事にしている」ことの表れと思うから。
そのことが季語(季節)を主軸とした俳句詠みの自分の裡と深く響き合ったのかもしれません。
今回14句を編むにあたり改めて「参」を観直しましたが、夏目君が藤原家に来るまでの孤独なエピソードがだんだん具体的に出てきて(「偽りの友人」「幼き日々に」「帰る場所」「夏目遊戯帳」等)切なく辛くなりました。
また、「子狐のとけい」は何度観ても泣いてしまう名作。
このエピソードに出てくる温かく達観した存在感を放つ塞神(さいがみ)様は、「壱」の露神とともに大好きな神様(妖?)です。
そして、思い出しました。
「これはただの妖怪奇譚じゃない。人の孤独と再生を描いた、深い物語だ」
アニメを見ているうちにそのことに気づき、愕然とした瞬間を。
その時から私はこの物語に引き込まれ、全幅の信頼を置いたのだと思います。
夏目君という一つの魂の絶望から再生へー
人と妖と「共に生きる」ことを彼が自発的に選択する過程を丁寧に描いた「参」。
本作をこの世に生み出し、送り出してくださった原作者・緑川ゆき氏、
アニメ「夏目友人帳」の制作スタッフの皆様に感謝申し上げます。
※ちなみに、「夏目友人帳 壱」「続 夏目友人帳」の物語る句は下記に掲載しています。ご高覧いただければ幸いです。
また「物語る句の定義」と「なぜ、連句形式で詠もうと思ったか」についてご興味のある方はコチラをご覧くださいませ。