お気に入りのグローブ
バイクに乗るようになって
本当に気に入ったものだけを
厳選して買うようになった。
ほぼ勢いだけで免許を取って
納車してもらったものの、
バイクを乗るのに必要なお金は、
車両代や保険料等の維持費だけじゃなかった。
そう、身の回り品が意外とお高いのだ。
ヘルメットはピンキリだけど
安全安心な品質で着用感を重視すると
5万円以上は必要になる。
プロテクターやグローブも
一揃い用意したら1万円はかかる。
そして靴。
スニーカーで乗ってたら
シフトチェンジする左足だけ
めちゃくちゃ消耗するし、
油汚れもついてしまう。
ということで、
バイク用の靴もあるといい。
走ってるときの快適さを求めれば
季節に合わせたウェアだって欲しくなる。
そんなこんなしてると
結構な出費になるのだ…
最初はよくわからなくて、
多少サイズがピタッとこなくても
すぐ必要だからと買ってしまったり、
少しでも節約と思ってセール品から
無理やり選んだりしていた。
だけど、なんだかどこか野暮ったい。
インスタで見かけるバイク女子は
みんな機能性だけじゃなくお洒落なのだ。
なんか、チガウ…
何着も持つものじゃないんだから
少しは奮発すればよかったと
今更ながら後悔した。
もやもやしながらバイクに乗っていたある日
グローブの手のひらのところに穴が空いた。
穴と言っても、
スレて布が弱くなったところが
透けてきた程度のもので、
今すぐ使い物にならない感じじゃあない。
でも…
これは、お洒落バイク女子に生まれ変わる
第一歩を踏み出すタイミングじゃなかろうか。
よし。
これを機にまずはグローブを
買い替えることにして、
多少時間をかけてでも
とびきり気にいるものを探そう。
そう思い立った数日後、
インスタでグローブの受注生産の
予約を開始するというポストを見つけた。
しかも、私が乗っているSRを連想させる
ブルーとブラウンのグローブ。
素材は革で、作り手は長く使えるものを
提供することをモットーにしているようだ。
運命だ…
大袈裟かもしれないが、そう思った。
今回予約を受け付けた分は
12月下旬に届くということで、
自分へのクリスマスプレゼントとして
購入することにした。
丁寧に梱包された箱が届いたのは
ちょうどクリスマスイブだった。
ワクワクしながら開封する。
メーカーの名前が刻印された
黒い紙箱とともに
ステッカーやメッセージカードが現れた。
作り手の暖かさが伝わってくる。
薄紙を解いてグローブを取り出すと、
新品なのに柔らかくて
革の香りがふわっと漂ってきた。
サイズは販売サイトで紹介されていた
測り方とサイズ表で合わせて選んだので、
キツくもなく、ゆるくもなく、
まるでオーダーメイドのようにピッタリだった。
心がワクワクして
バイクに乗りたい気持ちが高まった。
今まで使っていたグローブも
それなりに気に入って使ってたけど、
新しいグローブはいい意味でなんか違った。
バイクに跨り運転し始めると、
さらにその良さが分かる。
自然と手に馴染む形をしているので
ハンドルの感覚がよく分かる。
なのに、時間が経つにつれ
痛くなってくるような部分は
厚みがしっかりあるから、
疲れにくくて手に優しい。
冬はインナーグローブが必要だけど
オールシーズン快適に着けられるのも
魅力のひとつだ。
もうすぐ購入から２年になるが、
革がどんどん馴染んできて
くたびれるどころかさらに魅力が増してきた。
破れたり壊れたりしたら
修理もできるらしいので、
これからもツーリングの相棒として
永くお世話になりたいと思う。
最後まで読んでくれて
ありがとうございます！
メンバーシップ エッセイのまち
９月のお題に参加しています！
#お気に入りの一品
よかったらスキや感想のほか、
あなたのお気に入りを教えてください☺️
＊9月30日追記＊
9月の推しエッセイに選ばれました🙌
ありがとうございます🥰
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