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反省文は書くことで免罪符になる(悪いと思っていない人々)

■世間に転がる意味不明ーコインの裏表ー

反省だけならサルでもできる
というコマーシャルがあった。
行動が変わらなければ、何をしても意味はない。

学校のころは、なにか悪さをすると「反省文」を書かせることがあり、会社に入れば「始末書」を書くことがある。しかし、それで、何が変わるかと言えば「怒られないように」行動を慎重にするだけだ。罪悪感などがあるわけでもなく、反省しているわけでもない。

■食中毒を起こしているわけでもない

食品を提供している事業を営んでいる限り、最低限として「食品安全衛生」には気を配る必要がある。店舗営業ができないばかりか、多店舗展開している場合には全体の信頼に影響が出るかもしれないからだ。

しかしそれ以外であれば、あまり気にしないのではないか?

〇スシローは「おとり広告」問題の本質を理解しているか おわび文書に“違和感”を覚えたワケ
2022年06月25日

6月17日、同社の親会社であるFOOD&LIFE COMPANIESは「一部報道に関するお知らせ」というニュースレターを発行した。そこには、「報道の中で『詐欺』という表現や『過去からも意図的に繰り返し行ってきたのでは?』とご指摘をいただくことに、従業員一同大変心を痛めている一方で、今回の件の事の重大さを改めて痛感し、猛省しております」と書かれてあった。

総じて文面から伝わるのは次のようなことだ。社内では、売り切れ御免の態度に対して、一般のユーザーの反応は温かくて励みになる。一方、報道は冷たくて傷つくものだと受け止めている。報道は消費者庁の発表をもとに、時には被害を受けた消費者の声を代弁するために、法的措置について取り上げるので、スシローから見れば言い過ぎと思われる厳しい表現になりがちだ。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2206/25/news039.html

わかりやすく言えば、「誤解です」の一言だろう。
不祥事に対する対応で疑問符が付くのは、最近では吉野家だろうか。

〇吉野家元常務「生娘シャブ漬け」発言 受講生らが抗議の署名提出
2022年6月20日

牛丼チェーン「吉野家」の常務取締役だった男性(解任)が4月、早稲田大学の社会人向け講座で「生娘(きむすめ)をシャブ(薬物)漬け戦略」などと発言した問題で、講座の受講生らが20日、発言への抗議と再発防止の対策を求める2万9200人分の署名を吉野家と親会社の吉野家ホールディングス(HD)、早大に郵送した。

吉野家HDは受講生らが出していた要望書に5月25日に回答。その中ではコンプライアンス研修を実施したとし、ホームページ上でコンプライアンスの考え方を開示している、と説明したという。

https://www.asahi.com/articles/ASQ6N74WPQ6NOXIE010.html

吉野家としてはトカゲのしっぽ切りのように、該当する人物を排除して、見た目は誠実な対応をしているようだが、根本的な組織変革をするとは言えない。

■批判だけならだれでもできる

スシローを題材にしての批判記事がある。

〇スシローの悪質おとり広告に映る大企業病の端緒
再発防止のためにはいったい何が必要となるのか
2022/06/11

より問題だと批判されているのはそういった事態が起きた後に、今度は「冬の味覚!豪華かにづくし」で同様の欠品が起き、それを知りながら同様にテレビ広告を大々的に打ち、そして店舗では「品切れ」の表示をしていたことです。

・・・

消費者庁からの措置命令を受けてあきんどスシローでは「今回の措置命令を真摯に受け止め、再発防止に努めてまいります」と謝罪したのですが、問題はどうすれば再発を防止できるのかです。

https://toyokeizai.net/articles/-/596157

正論ではあるだろう。
しかし、本当に問題なら、消費者自らが店の選択をしなければならない。何回もおとり広告が出ても、同じように来店して食事をし、そこにお金を落とす行動をとっているなら、店が改善の必要性を感じるとも思えない。

こうしたおとり広告が原因で売り上げが落ちているならともかく、「悪くない」と感じている企業の謝罪文に意味があるとも思えない。

すべては消費者の選択だろう。形だけの「問題化」と「形式的謝罪」は気味が悪い。

■儲かっていれば軌道修正などしない

イノベーションのジレンマに限らず、成功のさなかでは軌道修正はできない。仮に問題が起きても表面的な対応にとどまる。

○スシローは「おとり広告」問題の本質を理解しているか おわび文書に“違和感”を覚えたワケ
2022年06月25日

報道がおとり広告について厳しく取り上げた後も、スシローの店舗は相変わらずにぎわっているようだ。ニュースレターからは顧客から支持されているという自信も垣間見られる。うにやかににさほどの思い入れのないユーザーにすれば、スシローは依然、安価で満足度の高い寿司を提供してくれるチェーンだ。私の知人にも「スシローは最近、混み過ぎていた。人気が落ちて空いているなら行ってみたい」と言っている人もいたほどだ。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2206/25/news039.html

きっと、再発するだろう。再発が約束されている是正処置は対策にならない。

<閑話休題>

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