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私の心のなかの信長|断髪の乱
こんにちは、髪は切りたいときに切るなちこです。
雪の舞う午後、バッサリやってきた話。
特に冷え込みが厳しいと言われていた週のはじめに、バッサリ髪を切りました。
昨夏ボブにしたまま伸ばしていた髪が、いよいよ首の後ろや肩のあたりでチクチクと煩わしくなったのです。春まで、待てなかった。
こんな寒いときに髪を切って、
首元を寒気にさらすなんて!
思いました、当然のごとく。
寒いときは首元を温めるようにと、亡き祖母に言われて育ちましたから。それでも、我慢できなかったのです。これで風邪をひいたら笑ってやってください。
ただでさえ寒くて光が弱く重苦しい冬、心が塞ぎこむ私をチクチクチクチクと刺してくる毛先。
伸びた髪と爪というのは、なぜこうも煩わせるのか。私の一部であるはずなのに、肌からの距離が離れるほど私を不快にさせます。
それならば、切ってしまえよ、ホトトギス
私の心のなかの信長が声をはりあげました。
「まとめてみよう」「春まで待とう」と口にした者もおりましたが、御館様のご意向が最優先です。
御館様の号令から10分で美容院を予約して、身支度を整えて車に乗りこみ出陣!チラチラと雪が舞うなか、美容院にたどり着きました。
号令から2時間ほど。美容師の手によってバッサリ斬り捨てられ、足元に散らばる私の一部だったものたちを横目に我が軍は勝鬨を上げています。
えい、えい、おー!
えい、えい、おー!
えい、えい、おー!
まさかこのような目に遭うとは思ってもいなかったであろう、髪の毛たち。抜毛症を患う私の指先から逃れ、必死に伸びようとしていた矢先の悲劇。
私が豊臣推しまたは徳川推しだったら、このような結末にならずに済んだかもしれません。残念です、私は織田推しなんだ。毛先まで、このあたりの教育が行き届いていなかったのか……
「日本史成分配合トリートメント」とかないのかな?
多くの犠牲はありましたが、おかげさまでサッパリです。お店を出ると雪がやんでいました。
ごおぉぉぉぉ…ぶわぁぁぁぁ……
雪はやんでも風はやまない群馬県、名物のからっ風が私に襲いかかります。
いや、さむっ!!!
マフラーもなにもない首元から、全身に寒さが広がります。さすがに寒い。しかし、不快なチクチクから解放された喜びが勝っていました。
髪の毛は、切っても生える、ホトトギス。
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