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『アルザス風りんごのタルト』 このタルトは・・ほんとレシピが優れものだと、つくづくそう思う。
『タルト・アルザシエンヌ TARTE ALSACIENNE』
AU BON VIEUX TEMP オーボンヴュータン河田勝彦シェフによるレシピ
美味しいりんごが手に入ったら必ず作るりんごのタルトがこれ。このレシピは2008年12月発売の暮しの手帖の誌上にて紹介されたもの。実際作ってみると、
実に簡単なのに、想像もできないほど複雑な味わいを感じるタルトになる。
一般的なタルトは時間にして40〜50分焼くのが一般的なのに、このタルトはオーブンでなんと「75分も焼く」のだ。しかも温度は180度と決して低くはない。だから初めて作ったときは「焦げるんではないか?」とずいぶん心配したものだ。
15年も作り続けて、やっとなんとなく分かってきたのが、75分焼く途中でアパレイユが濃縮され、まるで生クリームを使ったような乳製品の濃厚さを舌に感じる。途中りんごから出る果汁はそのアパレイユの中に不思議なハーモーニーをもたらし、食べた時には「えっ?何が入ってるの?」と思わないではいられない。
◆基本の材料は「りんご」と「タルト生地」。中型のりんごが3個必要。りんごが小さければ数を増やし大きければ数を減らせばいい。陶器製のタルト型は22cm。
タルト生地は自分で作っても冷凍パイシートでもよい。
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これまで様々なりんごで作ってきたが、紅玉では小さすぎるし、
このシナノゴールドあたりがこのタルトにいちばん向いているかもしれない。
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◆残りの材料
卵:全卵1個、卵黄1個
グラニュー糖:105g
アーモンドプードル(皮なし):25g
白ワイン:100cc
ミルク:150cc
最後に刷毛でぬる砂糖入りミルク:ミルク15cc + グラニュー糖4g
◆上から順番にボールに入れて混ぜていきアパレイユを作る。りんごは8つ割り。
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このタルトの場合、生地は少し型より立ち上げたほうが、途中アパレイユがこぼれなくおすすめ。
◆200度に予熱したオーブンに入れ180度に下げて80分焼く。一旦オーブンから取り出し砂糖ミルクを刷毛で塗って、もう一度オーブンに戻し2〜3分焼いてつやをつけて出来あがり。
この下の写真は2021年に作った同じタルト。今回作ったのとほぼ同じ焼きあがりの様子。製菓はプロでないかぎり毎回同じようには作れないものだが、このタルトはそういう意味でも優れものといえるだろう。
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