魂が、軽くなるくらい <明日、世界がこのままだったら>
本を読み終わってから、左胸の心臓が動く音を確認した。
良かった。動いている。
動いているのは当然と思っていたが、今は動いていることに感謝の気持ちでいっぱいだ。ありがとう。
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ある日、サチとワタルは生と死の狭間の2人だけの世界にいた。
いたというのは正確ではなく、この世界に連れて来られたのだ。それは本人の意思とは関係なく不運な事故によって・・・
サチとワタルはそれぞれの部屋がつながった住居で暮らし始め、次第にお互いが慣れてきた矢先に2つに1つの選択を迫られることになる。
2人の生い立ちや現在の生活から似通った点が見えてくるのは、敷かれたレールから外れていないこと。
現状維持のためにレールから外れないサチと、与えることから逃げられなくなっているワタル。物語は2人の対比によってどちらの場合もあり、どちらも苦しいとことを浮き彫りにする。
そして、ワタルのために決断したサチ。
この決断は悲しいもの?いいえ、一旦2人は離れることになっても、またいつか違う世界につながっていくだろうと思う。
最後に、家族のために日々生きている人に”この本の想い”が届いて欲しい。
そして、生きること。
書き続ける楽しみを感じています、その想いが伝われば嬉しいです~