ジメジメした気候を吹き飛ばしてくれました！＜町長選挙＞

町長選挙　著者：奥田秀朗さん

「なんか調子が出ないなぁ」と思う時はありませんか？

体の不調がある場合は病院に行きますね。
そんな時、私は伊良部総合病院の神経科をおススメします。はい、本当に😉

伊良部氏が登場する小説第3弾は、プロ野球のオーナー、IT社長、40代の女優
がそれぞれの事情により診察を受けることから始まります。

いずれも、実在の人物を思わせるような設定（ユーモアな演出？）のようですが、本作は伊良部氏がこの患者たちにハッと目覚めさせるような言葉を
かけるのが印象的です。

早くして成功したIT社長（あだ名はアンポンマン）には、

上司からの理不尽な支持に従うことを経験したことがないから
脳内合理化が進んじゃったんだろうね。
レーシングカーで公道を走るのは危険だよ。性能落としたら？

サイドから看護師のマユミちゃんも一発。
「一人で勝っていると遊び相手がいなくなるよ」

まさにその通り！常に一人よがりだと誰もいなくなるよ、
と気づかせてくれるのです。

心の闇を暴き出し、悪代官のように遊びながら成敗している。
いや逆に成敗されている？！伊良部医学博士。

前2作よりさらにグレードアップし、マユミちゃんの活躍も目立つ本作。
ジメジメした気候を吹き飛ばしてくれました！

町長選挙 (文春文庫)