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依存症克服の罠、「反省」は逆効果?
こんにちは、心理士のなべたです。
この記事では、「ゲーム障害再考」という本に掲載されている、「反省させない通院医療の実際」という記事を読んで、私が感じたことをまとめました。
「反省」の罠
私たちは「反省」という言葉を好みません。なんだか、依存行動は「よくないこと」で、それを行なってきた人たちは「よくないひと」。そしてそれを直す私たちは「正しい答え」を持っている「正しいひと」と決めつけているみたいです。
「反省」という言葉は、良くも悪くも倫理的な観点が含まれています。
人間同士の関係性において、この言葉を用いるだけで、一方が上、一方が下という関係が生まれてしまうことがあります。
そもそもの話、「反省」をさせたら依存症はよくなるのでしょうか。
むしろ、自分を責めたり、他人に責められたりするとは、心に悪い影響を与えてしまいそうですよね。
例えば、「アルコールに逃げるのは良くない!」とただ問題を指摘されると、それは依存症を抱える人にとっては、回復への道を遮る壁になってしまうことが多いのは火を見るより明らかだと思います。
ここで重要なのは、「反省する」「反省させる」というフレームから離れることです。
そして、社会の中で自己実現できる場所を見つけ出すことが、依存症からの回復への最善の道だと言えるでしょう。
"止める"ではなく"理解する"
他人も自分も信じられないし嫌いだ、自分はどうせ価値のない人間だ、アルコールや薬物、ギャンブル、ゲームの世界だけが裏切らずにいてくれる存在で信じられる、そうした思いがクライアントにあり、依存対象がその人の生きる支えになっていった。
依存している人が回復に向かうためには、まずは、その人がどのような人生を送り、その過程でどのような価値観やものの見方、考え方が培われたかを捉え、どのような「人」なのか理解することが大切だと思います。
その人が依存の世界に没頭しなければならないほど現実で困難なことや辛いことがあったのかもしれません。
そして、依存していた行動を「やめる」「やめない」という視点を強要しないことも大切です。
それよりも、人とのつながりの温かさや、他人への信頼感、自分が大切だと思う感情を再び育てることが、回復への道筋となるのではないでしょうか。
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