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味噌汁の不思議な効能は麹菌に由来する
日本食の根幹には、味噌、しょうゆ、納豆、漬物などの発酵食品があります。
これらの発酵食品を食べると、腸内環境が整うことが知られて来ていますが、それは、それらの発酵食品には乳酸菌や麹菌、酢酸菌、酵母菌といった、善玉菌が豊富に含まれているからなんだそうです。
腸内細菌、腸内環境の研究では、「腸内細菌の種類が多いほど健康的だ」ということが明確にわかって来ているようです。
糖尿病や肥満などの疾患を持つ人の腸内細菌叢は、そうでない人に比べ細菌の種類が少ない、細菌叢の多様性が低い、という研究報告が複数あるとのことです。
※『発酵食品はおいしいクスリ』山元正博著・ポプラ新書刊から。以下も適宜引用。
この山元氏は、東京大学出身の農学博士であり、鹿児島県の河内源一郎商店の代表取締役です。
この河内源一郎とは、山元氏の祖父であり、日本の麹菌である黒麹・黄麹・白麹の3種のうち、黒麹と白麹の発見者であり、河内源一郎商店は、それらの麹菌の種麹を作る会社なんですね。
麹菌は、日本食の根幹となるしょうゆ、みりん、穀物酢、そして、日本酒、焼酎、甘酒、また、味噌の元となります。
※納豆は、納豆菌が元となります。
味噌は、黒麹・黄麹・白麹のうち、黄麹を元に作られるもので、かなりその効能の研究が進んでいるようです。
味噌には、麹、アミノ酸、イソフラボン、α-リノレン酸エチルエステル、サポニン、ビタミンE、レシチン、酵素といった成分が含まれており、また、意外かもしれませんが、高血圧にも良いものも含んでいます。
したがって、味噌汁を飲むということは、これらの成分と具の栄養素を一度に簡単に取れるということになります。
また、発酵の段階で、微生物がでんぷんやタンパク質を細かく分解しているため、身体に入ってから分解するプロセスがいらない、体へ吸収がしやすい、といったメリットもあります。
麹は、しょうゆ、みりん、穀物酢、味噌などの和食に使う調味料と、日本酒、焼酎、甘酒のすべてに使われており、“和食を食べる=麹を摂る”ということと考えられます。
その中でも、日本酒や味噌造りに長年使われているのが、黄麹であり、黄麹によって作られる物質(ペプチド)が、高血圧を抑えることがわかっているとのことです。
また、高血圧を起こす原因のひとつ、アンジオテンシン変換酵素という酵素の働きを、黄麹の出す酵素(プロテアーゼ)によって大豆から作られたニコチアナミンという物質が抑えるとのことです。
さらには、味噌に含まれるソヤサポニン、セリルトリプトファン、メラノイジンという物質も、同様にアンジオテンシン変換酵素やレニンという酵素の働きを抑え、高血圧を抑制するという研究結果があるようです。
一般的に味噌は塩分が多く、高血圧の人にはよくないとされて来ましたが、実際の塩分量自体はそこまで多くないようで、普通に味噌汁として食べる分には、大量に塩分を摂ることにつながりません。
また、その他にも、インスリンの分泌を促し、血糖値をコントロールすることや、コレステロール値と中性脂肪を改善することも、報告されているとか。
何だか、味噌汁一杯にそんな効果があるなんて、びっくりですね。
あるテレビ番組で、一日に味噌汁を二杯飲むだけで、お肌の状態が改善されるという体験実験を企画しており、お笑いタレントが挑戦していましたが、文字どおり、改善されて、かなりびっくりされていました。単に、味噌汁といっても、あなどれない、そんな感想を改めて、持ちました(^^)/。