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【読書記録】人類三千年の幸福論
ヤマザキマリさんのエッセイは、いつも読み応えがあって、気がつくと付箋だらけで読んでいます。
対談形式のものも多く、それもまた読みやすくて好きです。
特に感性の似ている者同士の対談は、会話が盛り上がる部分も多く、熱量を高く感じ、非常に面白いです。
この本は、大英博物館「マンガ展」担当キュレーターであり美術史家のニコル・クーリッジ・ルマニエールさんという方とヤマザキさんの対談形式で綴られているエッセイです。
お二人の対談からは、人類にとって大切なことやアートの重要性を窺い知ることができます。
芸術の必要性
●困難なときほど、アーティスティックなことに時間やお金をかけられるゆとりを捻出する必要性がある。
●アートに触れることは、決して不要不急な経験ではない。
コロナ禍になってまもなく、不要不急という言葉が浸透していたような気がします。
特に、エンタメなどを含む芸術に関して、不要不急であるとか、自粛すべきとか、そのような声もあったかと思います。
私は、芸術は不要不急ではないと考えています。生きる上で欠かせない必要なもの。
ヤマザキさんも、そのように考えておられます。
大変な状況下であるからこそ、芸術に救われることがあります。心の豊かさを育んでくれるものの一つが芸術ですよね。
表現する、ということについて
●バランスが悪い状態におかれてこそ、それを疑う気持ちが自分ですらも考えが及ばなかった表現行為につながる。
表現行為を生業とする作家として生きてきたヤマザキさんの説得力のある言葉です。
ヤマザキさんを知っていくとなかなか波瀾万丈な人生を送っていらっしゃるなぁと感じますが、それがあるからこそ、世間を魅了する作品が産まれるのでしょう。
どんな状況も、感情も、全てが自分の表現につながっているのだと思うと、恐れずに色々な感情と向き合おうと思えます。
そうすることで、未知との自分にも出会えることができるのでしょうか。