ACアダプタ
私は、会社ではWindowsパソコンを。自宅でプライベートでは、MacBookを使っている。
当然だが、ACアダプタが違うのである。
私は、さらに、iPadProも、持っていて。このアダプターも、また、違う。当たり前だが。
会社には、さすがにMacBookを持って行くことは無いのだが、せめて、iPadProとACアダプターを、同じくしたい。それが、ひとつの願いだった。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
表現が大袈裟だな。
そして、同僚が、ついに、見つけてきてくれたのだ。それに、ぴったりの代物を。
今のWindowsパソコンには、通常のACアダプターと同時に、USB Type-Cというインタフェースがついていて。場合によっては、ここから充電できてしまう。そして、みてみると、会社のパソコンのUSB Type-Cは、充電できるタイプだった。
心の中の、リトルkojuroが、小踊りして、呟いた。
これで、少しずつ便利になる!
実は、荷物が軽くなるというよりも、移動や外出が多い職種で。車内のみならず、顧客先や、移動中、会議室、喫茶店。ありとあらゆるところでパソコンを操作する。
その時に、持ち帰るのを忘れてしまうのが、一番厄介なのである。
一度座ると、アポイントの時間ギリギリまでパソコンのキーボードを叩いたりしている。最近は、喫茶店でも、電源がついているところが多く、便利だ。そうなると、たいていの場合、慌ててその場を去ることになる。そのときが、非常に危険だ。
荷物や、まして、ACアダプターは、数が少ないに限る。
ネット販売で、購入ボタンを、迷わず押した。
ポチッ。
そのACアダプターが届き、それだけで気分がだいぶ違って。夏休み明け、情報システム部から私に届いた一通のメールで、固まった。
私のパソコンは、リース完了時期にきていて。新機種に切り替えねばならない。もちろんのこと、後継機種を注文したら、注意書きがあった。
現在、世界的な部材不足で、全機種、USB Type-Cインタフェースは、装備されていません。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
嘘だろ……。
今のご時世も、流行病も、日本海の向こうの国の部材メーカーも、貿易摩擦も、ロックダウンも、何もかもが、恨めしくなってきた。
かくして、私の優れもの最新鋭ACアダプターは、あと僅かの命となり、夜、ソファーに目を向けるも、家内は、リーディンググラスをかけて持ち帰りの仕事を抱えている。
私が口を開こうとすると、こうだ。
あ、コジくん。いま、忙しいから。
マッサージなら、いいよ、今夜も。
お・や・す・み・ね。
マッサージをしたとすると、家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だが。
今宵も、手持ち無沙汰に更けていくのである。