ショートショート_ハイタッチ
ただ歩くだけなのである。私の、記事の下書きのための文章構成は。逆に、歩いてないで机の前に座っているだけでは、何を書こうか考え倦ねてしまい、なかなか文章にならない。
だから、だいたい、記事を書くのは、通勤時間で。休日なんかは、わざと外出したり、電車に乗ったりして、文章をひねり出したりする。
小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「ただ歩く」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が「告白水平線」で。裏のお題が「チクタク水平線」ということだ。
お2人とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって、お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書くなんて、やはり、お二方に対して、だいぶ失礼なんじゃないかな。
うむ。むしろ、勿体ないな。これだけお題を盛り込むから、特に、たらはかにさんの裏表両方を入れてしまうので、タイトルが全く自分勝手なタイトルをつけるしかなくなってしまうのだ。
だが。私のサイクルは、日曜日が創作の日と決めている。だから、お題に対する物語も書きたい、参加したい。小牧幸助さんのシロクマ文芸部も、たらはかにさんの毎週ショートショートも。そして更に、自分の決めたサイクルも、できる限り守りつついきたい。そして、実力的に、1日に複数作書き上げる力量など無い。だから、昼からお題3つををすべて入れ込んだ荒技で、どうにか書き上げるしかないのだ。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
まるで悪ガキ、駄々っ子だな。
うむ。まさに。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
いや。書いていない。あっという間に、夏休みもとうに終わってしまった。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ハイタッチ」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
ただ歩くうちに、涼は確信した。時限爆弾のありかを。
涼は秘密警察広報部の文官である。たまたま爆破予告を受けたクルーズ船に乗り合わせていて。本部から指令を受けた。
文官とは言え、一通りの訓練は受けている。
ピアノに仕掛けられているはずだ。
今、リサイタル中で。1曲目が終わろうとしている。
涼は素早くピアノに駆け寄り。身分証を奏者に見せ、小声でゆっくりと語りかけて爆弾処理の時間が欲しいと告げた。
奏者は、機転の利く人で。アカペラでかもめの水兵さんをユーモラス一杯に振り付けし歌いつつ、観衆をドッと沸かせた。
爆発物を除去するには十分な時間だった。
涼は甲板に登り、超小型高速ドローンに据え付け全速で飛ばした。
数分後、夕暮れの水平線に閃光が走った。
本部への報告を終えて涼は部屋に帰り。締め切りが迫っていた連載を仕上げ、メールを送付した。
ミッション、コンプリート。
相棒のニホンザルのポチと涼は風呂で背中を流し合い、ハイタッチで1日を終えた。
☆ ☆ ☆
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。