エアコン
引っ越してきてから、15年、まるまる、経つ。引っ越してきた時に、だいたいの家電を買い替えた。引っ越してきてからしばらくして買い替えたのは、洗濯機くらいである。あれだけは、まだ、10年経っていないと思う。
テレビも、冷蔵庫も、もう、ヘタってきていて。そろそろ寿命だ。
私は、ものに名前をつける癖があって。テレビには、「たかお」という名前がついている。
たかおは、もう、本当に、寿命だ。引っ越してきた当時、液晶(液晶パネルをバックライトで光らせている)ではなくて、自発光(パネル自体が光る)のタイプは、プラズマディスプレイがあった。
暗いところのコントラストが高く、画像品位がいいと思い、それを選んだ。そして11年前の地震で倒れ、画面の全面の強化ガラスにヒビが入った。だが、びくともせずに15年、頑張ってくれている。
このプラズマディスプレイ。本当の寿命になると、まずは、画面がときどき、真緑になる。しばらく使っていると、直ったように見える。が、時が経つと、次は、ときどき、真っ赤になる。また、しばらく使っていると、直ったように見えるのだが、画面が真っ暗になり、音だけが聞こえてくる。
実は、たかおは、その状態まで、昨年の11月に、既に、到達していて。私たち家族は、驚愕の経験をしている。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
あのときは、もう、ダメだと思ったが。
しばらく電源を消していたら、奇跡が起こったんだよな。
それから5ヶ月間、何とか持ち直して、ここまできている。家電の寿命は、だいたい、10年である。15年もつのは、稀有である。それを考えると、ほんとうに奇跡である。
よく頑張ってくれている。
冷蔵庫の「レイ」も、なんとか、踏ん張ってくれている。ディスポーザーは、もう、動かなくなった。家内が帰宅してきたら、一緒に、最後の最後のチャレンジで、リセットボタンを押してみる。ダメならば、購入するか、我慢してそのままにしておくか、判断が必要だろう。
そんななか、とうとう、リビングのエアコンが、ヘタってきた。どういうヘタリ方かというと、リモコンが効かないのである。
ある朝、それが突然に発覚した時、私は、叫んだ。
エアコンよ、お前もか!
だが、苦労して、リモコンが効く方法を、何とか発見した。それは、至近距離からリモコンで操作すると、なんとか言うことを聞いてくれる。
心の中の、リトルkojuroが、苦笑いしながら、呟いた。
リモートで、離れてコントロールできない。これじゃ、リモコンではないな。
確かに。
このエアコンも、一度、ガスの充填を、ダメ元で、してもらった。もう5、6年も前になるだろうか。
夏、家内は、諦めたように、言うのである。
このエアコン、もう、効かないから。
でも、スイッチを入れて、冷房にすると、明らかに外気よりもかなり冷たくなる。つまり、なんとか頑張ってきてくれたのである。
でも、ほんとうに、よく15年も、働いてきてくれたものだ。心から、感謝したい。それと同時に、もう1年、いや、2、3年、働いてくれると、ありがたいのだが。これは、私のわがままというものだろう。
昨夏に次女の部屋に導入したエアコンについては、まだ、決着はついていない。この件は、またの機会に、記事にて報告したいと思う。
家内は、あるプロジェクトに参画していて。仕事が忙しくて、事務所の側のホテルに寝泊まりしている。日曜日の深夜に戻り、月曜日の昼過ぎにはまた、ホテルに泊まりに行って、そこで仕事をしているのである。
マッサージは、とんと、しなくなった。そのかわりに、家内の健康のことを心配をしている。これならば、マッサージをしているほうが、よほど良かった。
心の中の、リトルkokuroが、ボソリと、呟いた。
やはり、さっちゃんがいないと、コジが、いつものコジではないような気がする。
やりとりからすると、家内は元気なようである。
だから。
これで、いいのだ。