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ショートショート_溜息

ハチミツは、私の貧弱な味覚ではあるが、かなり美味しいと思う。

私が言っているのは、市販の、スーパーのはちみつである。

グラニュー糖よりも複雑な雑味も入っていて、その奥行きのある味が美味しい。

だが私が知っているハチミツは、そこまでで。世の中には、本物のハチミツが結構あるらしい。

蜂が集めてくる花によって、味わいもコクも舌触りも、全く違うという。

そういう大切なことを抜きにして、さも知っているかのような物言いで、「かなり美味しい」などと書くのは、烏滸がましいというものだ。

でもいつか、そういう珍しいハチミツを味わいながら、あちこちを旅をしてみたいものだと思う。


そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「ハチミツは」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。


そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【世界一しょぼいタイムスリップ】で。裏のお題が【宇宙一エモいバックドロップ】|д゚)チラッということだ。


また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。

今週は、お題が出た。ほんとうによかった。青ブラ文学部のお題も、私にとっては、大切なお題なのである。先週は、かなり落ち込んだのだ。実は。

作品のどこかに「世の中に片付くなんてものはほとんどありゃしない」という(ニュアンスの)言葉を含めてください。このままの引用でも、アレンジを加えていただいてもかまいません。とのことで。

私は、このまま引用して文中に入れてみよう。



3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、ほんとうに励みになる。

また、今回は、potesakulaさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。

今週も、「シロクマ文芸部・ハチミツは」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」を少し、コメントにて残した。

はなまる先輩。良い先輩だったと思う。ハチミツに拘りがある人。しかも実家の地元のハチミツ。

仕事ができて性格も良い、できた、はなまる先輩は、学び直して地元に戻るのだろうか。

何にしても、はなまる先輩の目標や未来は、恐らく確実に実現していくのだろうと私は思うのである。

先輩がいない会社。ちょっと寂しい気がする。だが、なんだか、晴れやかにこれから先、主人公もやっていけそうな気がする。

ボサボサ髪の、はなまるでは無い先輩の、ハチミツの笑顔で。

私は、物語はハッピーエンドであるほうがいいと勝手に思っている。この作品は、そこはかとなくハッピーエンドになっていて。心地よい、良い作品だと思った。


今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのお題(青ブラ文学部)、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。

今週はイレギュラーで4重の荒技だが。


うむ。


これで何週間だろうか。


まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。

まるで、悪ガキそのものだな。


まあな。


なんのはなしですか。

荒技って?  やっていいことなの? ほんと?




さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「溜息」約410字を、どうぞ。

☆         ☆         ☆

ハチミツは少しだけ蕎麦の匂いがした。

財前がそれを分析ツールで解析する。


「長野に飛ぶぞ」


言うが早いか、泉がマイクロテレポーテーションツールのボタンを押す。



ポチッとな。







そこは、蕎麦畑の横の、古民家だった。

怪人が家人に襲い掛かろうとしたその時、泉が威嚇射撃を天空に撃った。



「無駄な抵抗はやめなさい!」



怪人は振り返り、不気味な高笑いをしつつ声を上げた。

「タ〜イムスリ〜ップッ!」



ほんの一瞬だった。怪人が消えたのは。そして目の前に再び現れた。


「あれ?」


気付くが早いか、泉が担ぎ上げ、宇宙一華麗なバックドロップを食らわせた。


「確保!」








財前は言った。

「敵のツールは幸い、まだ実用性が低い。だが、油断大敵。今後もたびたび事を起こすだろう。本物の脅威になる前に、潰せれば良いんだが」


泉は、ピストルをホルダーに収めつつ言葉を返した。


「世の中に片付くなんてものはほとんどありゃしないってわけですね」




夕日を見つめながら、2人は軽く溜息をついた。


☆         ☆         ☆

さっちゃん(注1)に、今日の荒技が終わったとソファーを振り返って話しかけると、さっちゃんは笑って言った。

そんな時間があるなら、もっとマッサー(注2)に使ってもらっていいのよ。今日は日曜日だし、また倍返ししてもらおうかな。

……。

マッサーをすると家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。

ときどき、海辺で遠くをひとりきりで眺めたくなる  笑



(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。

(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


溜息って本当は、健康に良いらしいって話





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