
はちみつ
本当に、極めて限界に近いのかどうかは残念ながら、私には、分からない。だが、はちみつにも、賞味期限があるのだということを、目の当たりにした。
次女が寮生活をし始めたのは、およそ6年前だ。その寮生活が始まったときに、卒業する先輩から、もらったものだという。
先輩は、さらにその先輩からもらったらしい。
そのときの先輩の言葉が、これだったという。
何年か前にもらったものだけれど、はちみつは、賞味期限がないから、大丈夫だよ。
それが、これだ。
パッケージが、かわいい。よく、スーパーでも、見かける。
3年前の春、寮から帰宅した次女が、私に言った。
コジくんは、ぽんぽん強いから。
だから、あげる。
ちゃんと、食べてね。
そのときに、先輩から代々引き継がれてもらってきたという、エピソードを聞いたのだ。
心の中の、リトルkojuroが、そのとき、呟いた。
ちょっと、色が濃い。
古いから、かな。
パッケージを見て回っていて、こんなものを見つけた。
心の中の、リトルkojuroが、ボソッと呟いた。
「賞味期限:上面に記載」と、書いてある。
賞味期限、あるじゃないか。
はちみつにも。
そこで、上面を、探してみた。
賞味期限は、書いていない。
蓋をあけてみた。
書いていない。
蓋の裏も、見てみた。
書いていない。
内蓋も、開けてみた。
心の中の、リトルkojuroが、呟いた。
こんなところに、書いているわけ、ないだろ。
確かに。
私は、勝手に、フードロスハンター(注1)を、名乗っている。
心の中の、リトルkojuroが、恐ろしげに呟いた。
今回ばかりは、極めて、限界を超えているぞ。
少なくとも、10年以上は、経っている。
命がけの任務になるぞ。
ひょっとしたら、最後の、仕事になるやも.....。
私は、真剣に、匂い、舌触り、色を、確かめた。
そして、いける、と、判断した。
マーマレードを混ぜた、ヨーグルトに、ちょっと、添えてみることにした。
混ぜてみると、なかなか、いい香りがしてきた。
実は、私は、はちみつが、大好きなのである。
うむうむ。
いい塩梅だ。
ネットで調べる限り、はちみつも、古いものは、だめなものも、あるようだ。
だが、私は、フードロスハンターとして、自分自身の判断を、信じる。
そして私は、極限界を超えた。
たぶん、この先も、賞味期限を約10年も過ぎたものを、食べることは、そうそう、無いだろう。
これで、いいのだ。
(注1)世界中で社会問題にもなっている、フードロスを無くすために、まずは身の回りの賞味期限切れを無くすように、ひとたび賞味期限切れとなった商品をチェックし、たとえ賞味期限が切れていても、匂いや色や味見から食べられるかどうかを真剣に判断し、食べられるものと判断したものは、無闇に廃棄せずにきちんと頂く。そういう活動をする、ボランティアのこと。私が勝手に作った造語である。
↑クリックしていただくと、「シティーハンター」のOP曲が聴けます。なぜ、単に、ハンター繋がりです。