りょす
「りょす」とは、若者の言葉で。ネットでのLINEなどのチャットなどでも言葉である。これは、了解を意味する。
次女に、声をかけてみた。
最近の若者は、こんな言葉を使うのだな?
すると、次女は、吹き出して、こう答えた。
私でも、もう、若者じゃないよ。
心の中の、リトルkojuroが、愕然としてつぶやいた。
な、なんと……。
次女によると、ネットの世界の若者というのは、主に、中学生や高校生あたりを指し、大学生は、ときに、除外されるのだという。
心の中の、リトルkojuroが、呆れて、つぶやいた。
ネットの世界は、ドッグイヤーだな。まるで。
今の若者は、などと言う言い方をして、ちょっと恥ずかしくなったところで、少し、我に返った。
まあ、次女の戯言も、向こうに追いやって、話を戻そう。
そうそう、「りょす」だ。
「りょす」と、最初は、次女も、入れてきていたのだ。LINEを使い始めた頃は。
ところが、「りょす」は、瞬く間に進化した。
りょす→りょ→り
いまや、スタンプさえ使わずに、「り」、だけで終わるのである。
心の中の、リトルkojuroが、嘆きつつ、つぶやいた。
味気ないね。ネットの中の言葉は。
リトルも、俺と同じ昭和の生まれだから、仕方ないな。
それに、最近、思うのである。
若者、いやいや。言い換えよう。我が家の子供たちは、LINEの返信を、すぐには、しない。何時間も放置している。
仕事だからではない。休日、明らかに手が空いていても、返してこないのである。
家内や私などは、レスポンスが命の世代であるから、通知が来た時点で、読む。そしてなるべく迅速に返信する。
長女に言わせると、まだ、長男や長女は、世間では、レスが早いほうらしい。
家内は、よく、信じられないと嘆く。
長男や次女の世代は、通知が来ても、気にならないのだそうだ。
かたや、次女は、スポーツをやっていて。上下関係が厳しい。だから、逆に、レスポンスは、迅速だ。
ところが、日本語変換などは、デタラメである。少々の誤字脱字を気にするよりも、まず、レスポンスを優先する。
まあ、それは、それで、良いだろう。読まないとか、レスポンスが遅いよりは。
時々、家族に対しては、解読不能な文字列を入れてくる。
そういう時は、再度聞き直すと、ほどなく正解が送られてくる。
先週の日曜日だった。
家内が、次女のレポート作成の様子を見ながら、ちょっと、注意をしているのだ。
次女は、スマホのおしりを口の前に持ってきて、何やら喋っている。
何をしているの?真面目にレポートを書きなさいよと、次女に、言っているのだ。
次女は、少し怒り気味で、レポートを書いてんじゃん!と、言い返していた。
つまり、最近の学生は、音声変換でレポートを書くし、長い文章でも、そうやって、書いて送るのである。
それを聞いて、家内は、かなり、驚いていた。
むかしむかし。本当に、むかし。入社して5年くらいの頃、音声文字変換ソフトを、売ろうとして手がけたことがある。
かなりの大手のソフトメーカーと共同して開発しようとしたが、ユーザーの立場から素直に評価すると、使い物にならなかった。だが、最近のソフトは、素直に、凄いと思う。
技術は、まさに、日進月歩である。
我が家は、家族LINEを作っている。そして、何だかんだと、情報を入れている。
家内は、新聞記事を。私は、天気やリキの様子を。子供たちは、遊びに行った先の写真などを。
なかなかない、楽しい家族だ。
だが、ひとたび状況が変わると、一変する。こたえるのが面倒なことは、家内は、こう、入れてくる。
り
心の中の、リトルkojuroが、空を見上げて、つぶやいた。
なんだか、さびしい言葉だな。
「り」、って。
それでも、否応なしに、世の中は、変わっていくのだ。