見出し画像

ショートショート_唯一無二

三月は出会いの季節でもあり、別れの季節でもある。三月が春かというと、まあ、そうなのだろう。もう四月に入ると、初夏の装いになる。

次女が雪国に住むようになり。冬に何度となく次女宅に行くようになった。冬になると必ず何度か行くのだが、大量に雪が積もっている。

朝、車を出すために早朝に起床し、雪かきをする。

雪国では当たり前なのだろうが、ここは大変な場所なのだと思い知らされる。私にとっては、たった数日だけのことで。

この雪が融け、草花が芽吹き、昆虫や動物が動き出す春は、きっと待ち遠しくて仕方がないものなのだろうと思うのである。

そんな春の有り難さを、私は六十年もの間、他人事にしてきたことに、今、ようやくにして気付いた。


三月は、春。

命煌めく季節。


そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「三月は」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。


そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【恋花粉】で。裏のお題が【濃い古墳】|д゚)チラッ|д゚)チラッということだ。


また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。

今週の青ブラ文学部のお題は、哲学的である。

・あなたが強い「これ性」を感じる「モノ」について自由に書いてください。
・人間や動物など、人や家族、生き物はこのお題の対象外です。


まず、「これ性」という言葉の意味について知らねばなるまい。

あきらさんの解説としては、以下のように記述されている。

あきらさんの説明は、わかりやすい(記事から抜粋)

「モノ」の捉え方がなかなか難しいが。何とか捻り出して考えてみよう。



3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、ほんとうに励みになる。

また、今回は、めいさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。

今週も、「シロクマ文芸部・三月は」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」を少し、コメントにて残した。


3月。もう、春だ。明日からまた寒波で。東京は降雪の予報ではあるが。

この寒の戻りが去れば、そこはもう、春真っ盛りのただなかである。

春は別れの季節でもあるが。出会いの季節でもあり。そして、寂しさを含みつつ、なぜだかワクワクする季節でもある。

春。もうすぐやって来て。そして、春爛漫、初夏へと季節は移りゆく。季節は巡り、そして諸行無常の浮世は時を重ねていく。

季節を擬人化しているのが可愛く素敵で。めいさんはいつも、心がホッと温まるような記事を書いていらっしゃる。


今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのお題(青ブラ文学部)、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。

今週はいつも通り5重の荒技だ。


うむ。


これで何週間だろうか。


まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。

まるで、悪ガキそのものだな。


まあな。


なんのはなしですか。

荒技を仕掛けて、逃げるのか!


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「唯一無二」約410字を、どうぞ。

☆         ☆         ☆

三月は別れの季節であり、そして、出会いの季節でもある。



財前のAIには、「智恵丸」という名前がついている。

経験、知恵、アイデア。持てる全ての情報をインプットし、財前自らの手で限りなく高度にカスタマイズをしてきた。





財前のイアホンには特殊なマイクとセンサーがつけられており。常に智恵丸とボイスチャットができる。

財前はちょっと花粉症が酷く。この季節はくしゃみをしつつタスクをこなしている。




最近、悪の枢軸が何故か菖蒲池古墳を狙っているらしく。それを解析しているのだが、男女が一緒に埋葬され指輪のような埋葬品まで発見されてたこの古墳、別名相愛古墳とも呼ばれてパワースポットにもなっている。




財前は呟いた。

「恋か」

智恵丸が返す。

「濃いな」






財前のメインサーバはこの春リース切れで切り替えられたが。智恵丸は、直ぐに搭載されアップデートされた。





財前が、電源を入れる。




ボゥン。




「さあ、智恵丸!」


「いくぜ、財前!」





今日もまた、忙しい一日が始まる。


☆         ☆         ☆

さっちゃん(注1)に、今日の荒技が終わったとソファーを振り返って話しかけると、さっちゃんは笑って言った。

そんな時間があるなら、もっとマッサー(注2)に使ってもらっていいのよ。今日は日曜日だし、また倍返ししてもらおうかな。

……。

マッサーをすると家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。

時々、遠くを眺めてしまう  笑



(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。

(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。



相愛古墳って、恋で濃いって、話




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集