保存水
最近は、どこの家庭でも、会社でも、少なからず緊急災害対策用の保存水を備蓄しているのであろうと思う。
私の勤める事務所でも、保存水の備蓄をしている。保存水は、だいたい、消費期限が5年間である。したがって5年ごとに、ごっそり入れ替えることになる。
私のところの事務所は、消費期限が過ぎた保存水を、年度の初めに整理し、「自由にどうぞ」ということで、各フロアの一角に置き、希望者が飲んでいき、例年なら夏前には全て残らず消費されるということになる。
消費期限5年間なので、5年ごとにそういう年が来るのであるが、今年がその5年目にあたる。ということで、今年の春から各フロアで自由配布が始まったのだが、今年は急にテレワーク主体の年となり、6月までは社員がほとんど出社せず、その後も徐々に出社が増える中で配布が進行したこともあり、夏前どころか、秋まで配布が続いていたのだ。
上述の写真は、6月中旬の、私のフロアの自由配布保存水である。
これが、夏季休暇明けしばらくした9月7日に、下のようになり、ひょっとしたら冬まで持ち越すかと思われた。
そして、その1ヶ月後の10月7日に、下のように。11月は、余裕で持つだろうと思われた。
ところが、そこから急激に減り始め、10月15日に下のようになり、
10月20日に、さらに減って、
10月23日の朝に、さらに減り、
とうとう、10月23日の夕方に、とうとう完売御礼になった。
10月頃から、改めて思うところがある。GoToキャンペーンも全国に波及し、プロ野球などの興業イベントもかなりの観客を入れるようになった。明らかに、少しではあるが世の中がまわってくるようになってきたと感じる。それに伴い、事務所に出社する人の数も急に増えて来ているように感じるのである。
命を守ることはもちろんのこと、経済を動かすのも、生きるためには必須だと思う。決定的に潮目を変える、大きなできごとはまだ世界において起きていないし、欧州ではフランスが2度目の緊急事態宣言を出すような状況に陥っている。米国の大統領選挙も一筋縄ではいかなさそうだし、テロリストも蠢いており、大きな地震などの災害も起きてきている。
キナ臭い闇の部分を掘り返したらキリが無い。
だが、それでも、そろそろ少しずつ変化が目に見えて起きて来そうな気がするのだが、これは、単に希望的観測なのだろうか。
倒れても、倒されても、踏み躙られても、心折れても、泣き崩れても、いずれ時を経れば、ゆっくりと立ち上がり、裾を払って淡々と前に歩き出す。理不尽を前にしてさえ、それが、生きるということなのかも知れない。
こんな時こそ、一縷の希望の光でも見出していきたい。
かつてと変わらない日常を、1日も早く、取り戻したいものだと思う。
渇望の種火は、世界中のここかしこで、恐らく、もう、いくつも点っている。
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