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ショートショート_望月

月の色は、いろいろな色があるという。確かに、満月が昇るとき、妙にオレンジっぽかったり赤かったりする。

あれはきっと、大気による屈折や何かの都合でああ見えるのだと誰かに聞いたことがある。

満月を見ると、なんだかウキウキする。私はきかん坊の悪ガキではあるが、決して狼男ではない。


そんなつまらないことに頭を巡らせながら、日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「月の色は」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。


そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【残り物には懺悔がある】で。裏のお題が【可愛い子には変化 へんげをさせよ】|д゚)チラッ、ということだ。


そしてそして、山根あきらさんのお題は、ちょっと早めに出る。

お題: お題 : 今までで1番痛かった、ということで。

今回は、お題を文中に入れさせてもらおう。


また、今回も、シロクマ文芸部作品を読んでみた。dekoさんの記事である。ちょっとその感想を述べてみる。

シロクマ感想文を書こうと、「シロクマ文芸部」・「月の色」で、検索して飛んでいった。

どまんでぃかっぷさん(どまんださん、今は「どまんだかっぷ」ではなくて「どまんでぃかっぷ」に改名している)のコメント欄でいつもお見かけするdecoさんの作品は、まるで映画を見ているような絵が浮かんでくる作品だ。

浅黄色。しかも、薄い、薄浅黄色。この色は私の好きな色のひとつである。

月の色が薄浅黄色とは、しかし、実に風流である。

望月の前夜にしか開店せず、品を手にしたら跡形もなく消え去る月綺堂。その名にまた趣がある。

風船のように膨らませた月を軽くリフティングしながら持ち帰り、夏目漱石がアイラブユーと心の中で呟く。

望月の出の時刻は早い。午後6時頃だろう。まだ薄明かりの空に、その月を飛ばす。

月を思って涙するとは、これまた実にお洒落だ。しかし、なぜ涙するのだろう。とは言え、少し私にもわかるような気もする。月を愛する者として。

空が好きな私にとっては、月は特別な天体だ。9月、秋は、誰もが月を思う季節。そんな中でも、decoさんの記事に、静かに美しく心を揺さぶられた。


生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。




小牧幸助さん、たらはかにさん、山根あきらさん。3人とも、私は、大好きである。3人の企画は、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃる。だが、お題を出すだけでも大変だと思うのである。

毎週。ほんとうにありがたい。そして毎週の日曜日の、私の励みである。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のお題、山根あきらさんのお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで加えると5重の荒技。

あまりにもやりすぎじゃないかな。



うむ。まあ、私にも事情があって。本当は、ひとつひとつ丁寧に書きたいのだが、まだ、それがどうしてもできない。

これで何週間いや、何年と何ヶ月だろうか…。まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。

なんだか、きかん坊の悪ガキだな。


まあな。申し訳ないな。みなさんに。

そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

家族からのお題は、バックアップで書いたの?


うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。


私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、そうそううまくはいかず。いつも、反省している。少しばかり。


なんのはなしですか。


荒技という名の日曜日




さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「望月」約410字を、どうぞ。



☆         ☆         ☆

月の色が赤く染まり少し昇ってきたビル街に遠吠えが響いた。

SLの後ろから、狼男が出て。日比谷口は騒然となった。


涼が到着。

「出たな、狼男!」

「エージェントめ!ひねつぶしてくれる!」

狼男が攻撃を仕掛ける。


涼は、仮面を取り出して顔につけた。

「変身っ!」

一瞬でファイトスーツが全身をおおい、どこかで見たようなヒーローが現れた。

「仮面ライター参上!」


「ライター?」


怪人が言い終わらないうちに涼は飛び上がる。

「とーっ!」


狼男に跳び蹴り。パンチやキックをまたたく間に何発も決め込むと、最後に一本背負いいっぽんぜおいで仕留めた。


「うー。今までで一番痛かった」

そう言い残し、怪人は連行された。



財前が歩み寄る。

「やぁ。首尾しゅびは上々だな」

「これしか装備が無かった。仕組んだな」

「いや、悪かった。涼に使ってほしくて」


「財前……。時代劇が好きなんだが。それと。変身ツールならベルトだろ」


秘密警察のエージェントはあくまで裏の顔。涼の表の本業は漫画家で。ライターとは少し違う。


☆         ☆         ☆


荒技も、もう、やり始めて1年以上になる。何回目だろうか。今度、数えてみよう。

振り向くと、ソファーのさっちゃん(注1)が言った。

noteよりもさぁ、マッサー頼むわ。


マッサージをすると、家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。


今日は、こうかな。「イーッ!!」  笑


(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。


なんのはなしです鑑、締まるなぁ。一本背負いよりも  笑









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