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恥ずかしい話 | 性的逸脱行為

2022年のある時期に主治医が変わった。偶然に主治医が休診することになり、その代診で来てくれた先生が今の主治医である。精神科あるあるだとは思うが、代診の先生は基本的に「いつものお薬出しておきますね」係だと思っていたのだが、彼は僕にSNRIの服用を促した。僕は精神科医ではないので代診の大体の流れや約束事を知っている訳ではない。ただ、しっかりと僕の話を聴いてくれている実感と患者を少しでも良くしようという意志を感じた。

SNRIの服用もかなりキツかった。SNRIも数種類の処方があったのだが、僕は双極性障害やうつ病に適用のある薬をコンプリートしている為に、「どうせ何も変わらない」という諦めの気持ちがとても大きかった。それと同時期にカウンセリングでも自分についての内省が深まったのも相まって、少しばかり意欲的になり、現在のように少し感情に波が生まれだした。それまではまるで時間の止まった世界の海に漂っている気分だった。

そこからしばらくして秋がやってきて、冬がやってきた。僕は元々からかなり恋愛体質で好きな人が居ない時期がない。ずっと誰かのことが気になっていて、その人に一途になってしまう。これはとても良いことだし、問題があることでもない。ただ、僕はその人を好きになり過ぎるか、自分を認めてくれる存在を理想化し過ぎている傾向がある。これも前々から気付いてはいた。いちばん問題なのは性的逸脱行為である。簡単に言えば、性に奔放になる。幸い(?)僕はゲイで結婚というゴールがある訳でもないし、現状はパートナーシップを結んでもいない。これが法的な問題に進むこともあるのだと思うと、完全な不幸中の幸いである。

マッチングアプリで自分が捕獲可能な獲物を探し出し、言葉巧みに相手を誘う。誘われた相手も悪い気はせずに僕と体の関係になる。短期間に何人も何回も。どこから正常でどこから異常かなんていう境界線は見方によって違うのだろうが、少なくとも普段は一途に人を愛することが出来る自分がこんな風に性欲に取り憑かれたように翻弄されるのはもう懲り懲りだ。その尻拭いをするのはうつ状態になった僕な訳だし。なんというか、自分は自分なのに自分じゃない感覚や行動に出てしまうのは完全にこれが障害だからなのであることの証左でもあるのだが、一方で僕は他人からとにかくどんな形でも愛されたいという欲求が強すぎるのかもしれない。

主治医には自分がセクシャル・マイノリティであるということを伝えられていない(カルテには引き継ぎで載っているのだろうがまだ直接話したことはない)し、自分が外に出れたきっかけが"好きになった人に会いに行くため"だということも伝えられていなかった。しかし、今回の性的逸脱行為をきっかけに治療をもう一歩前進させたいと考えた。このままじゃ以前と同じように他人を傷付けてしまう。もちろん自分の体も大事だからそれも守らなくちゃいけない。ゲイは男同士だから性欲が強すぎるのかヤリモクが多い。この話もまたどこかでしようと思う。

僕はいま、本当に大事にしたい人が居る。ただ、彼氏ではない(ということになっている)。彼とのエピソードも少し状況が変わればここに書いてもいいのかも…と思う。とりあえずは引き続き、全力で治療に取り組む。恋愛も誠実に愛を紡いでいけたら幸せだなー。

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