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親元を離れた時のこと

 最近、バイト先の大学生がディズニープラスのアカウントを共有してくれた。
 何か観ようとディズニー映画の欄をスクロールしていると「トイストーリー」が目に留まった。

 昔観たような気がするけどあんまり覚えてないな〜

 そこまで長くなかったので観てみることにした。トイストーリー1、2と続けて観ての感想は、普通におもしろいだった。だがトイストーリー3を観て、一変した。心が揺さぶられたからだ。

 トイストーリー3は、おもちゃのウッディたちの持ち主であるアンディが大学生になり引越しのための荷造りをしている。大学に持っていくものは箱に、要らないものは屋根裏か捨てるか。

 結果捨てられずに新しい子供へと渡されるわけなのだが、そのいろいろよりも感動してしまったシーンがある。

 それは最後にアンディのママが空っぽになったアンディの部屋を見て信じられないというような表情をしてから「ずっと一緒にいられたらいいのに」とアンディを抱きしめる場面だ。

 自分が大学生になって親元を離れた時のことをなんだか思い出してしまった。

 私はハワイの短大に留学していた。日本から両親と一緒にハワイに行き、ホテルに何日か滞在した。その後、私はバスですぐのホストファミリーの元へ、両親はタクシーで空港へ向かった。私はホテルからバス停まで歩くから両親の乗ったタクシーを見送ったのだけれど、その時の感覚は今でも覚えている。こうして文章にしてみると、蘇ってくる。文字に落とし込むにはあまりにも複雑な感情だった。感覚として覚えているから言葉にはしにくいけれど、色で言ったらとびきり綺麗な澄んだブルーみたいな。そんな感じだった。

 あの時の別れは、きっと凄く特別なもの。私もいつか息子か娘ができたのなら、子供としてではなく親としてその気持ちをまた体験できるのかな。素敵な宝物みたいな気持ち。

 父と母には感謝している。あの頃の私は、希望に満ち溢れていたけれど、今の自分も悪くない。というか歳を重ねる度に自分を知って好きになる。そう思えるのは父と母のおかげなんだ。そんな風に恥ずかしげもなく思えるようになったんだな。26歳まだまだだけれど、少しは大人になれたのかもしれない。

 感謝を忘れずに生きていきたい。トイストーリー4も観たいと思う。それではまたね。

 つづく

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