医療系ドラマ《了不起的儿科医生》で中国語を100倍楽しもう!(4)
はじめに
第1話を三つのパート、15分ずつに分けて紹介しています。初回ということで、ドラマの人物設定を理解するのと、あらすじを追っていくので大変だったかもしれません。どうだったでしょうか?
このドラマを観るにあたり、日本のドラマによく見られる「ドラマの登場人物の紹介や相関図」があればわかりやすいなと探してみたのですが、どうしても見つかりませんでした。ドラマの”番宣”方法は、国によって違うのかもしれませんね。
なにはともあれ、詳しいことはあまり知らないほうが、今後のドラマの展開を純粋に楽しめるのかもしれませんね。
第一話あらすじ③(30分〜さいごまで)
邓子昂(dàngzǐáng)の目覚ましい活躍について、更衣室で医師たちが噂をしていた。邓子昂は先輩医師・许秉泽(xǔbǐngzé)に目をかけられ、共にこの病院へ来た。彼らが「邓子昂が完全に先輩を追い抜き、许秉泽の面目は丸つぶれだ」と話していると、同じく医師である许秉泽の義弟がやってきて、彼らを一蹴し更衣室から追い出した。そして、義弟は部屋の奥にいた许秉泽を見つけると、義兄のために怒りを爆発させた。しかし、许秉泽は「自分の問題なので、これ以上何も言うな」と義弟に忠告した。
PICU主治医・王航(wángháng)は、邓子昂に焦佳人(jiāojiārén)のことを尋ねた。邓子昂は「院長に頼まれたが、彼女は落ち着きがなく、不注意なところがあるので、医師になるのはあきらめるように言った」と打ち明けた。邓子昂の親友である王航は、「彼女は院長と特別な関係があり、その院長から直接指導を頼まれたことで、先輩・许秉泽から妬まれるかもしれない。」と忠告する。
焦佳人が帰ろうとした時、大急ぎで大量の薬品を運ぶ男性看護師・雷皓(léihào)とぶつかりそうになる。ジュースと間違えて農薬を飲んでしまった少女が運ばれてきたため、大量の薬品を集めてきたのだ。それを聞き、焦佳人もすぐさま運ぶのを手伝う。
薬品を運んで行った先には、泣きながらアンプルを開封している看護師がいた。「ずっとやっていて、もう力も入らないのに、まだまだたくさんある…。」それを聞いて、焦佳人は手伝い始める。全部で8000アンプルと聞いても、彼女はひるまなかった。
他の看護師たちも集まり、協力して作業を続ける。夜を徹した作業に看護師たちは皆疲れて、その場に眠り込んでしまうが、焦佳人は一人作業を続ける。彼女は自分が必要とされている、人の役に立っていると心の底から感じていたから。
翌朝、少女の処置が無事に終わり、看護師たちは片付けを始める。そこに焦佳人の姿はなかった。誰も新人の焦佳人の名前を知らなかったが、彼女の凄さを称えて「3,000姉さん」と呼んだ。一晩で少なくとも3,000ものアンプルを開封したからだ。作業が終わり、誰に声をかけるともなく、焦佳人は病院のベンチに倒れ込み、深い眠りについた。その日の朝、新人研修があることも忘れて…。
新人研修に向かうバスで待たされていた他の新人医師たちは、「遅刻する奴が悪い。」とさっさと出発してしまう。一方、医局では職員たちが慌てて焦佳人を探していた。それを見た邓子昂は腹を立て、すぐ自分の仕事に戻るように皆を叱った。さらに彼女が来たら、すぐ自分の部屋に来させるようにと伝えると、自分の部屋へと消えていった。
子供に起こされた焦佳人は、受付スタッフに新人研修のバスはどこかと尋ねるが、もう出発してしまったことを告げられる。放心状態の焦佳人に、受付係は手の傷の手当てをしたほうが良いと促す。焦佳人の指には開封作業でできた無数の切り傷があり、男性看護師・雷皓に傷の手当てをしてもらう。
感想
今回は、焦佳人の「人となり」が描かれている部分でした。農薬を誤飲した少女のため、ひたすらアンプルを開封します。実は私事で恐縮なのですが、このアンプルカットが苦手だった時代があり、もう見てはいられないシーンでした。私だったら多分、泣く側ですね…。
中国らしいなぁと思ったのが、焦佳人のあだ名を「3,000姉さん」にしてしまうところです。「〇〇姐」はよく聞きますが、「あだ名のつけ方、それ!?」と思わずにはいられません。中国人とお付き合いしていると、日本とは名前に対する概念がかなり違うと感じます。呼び名が実はニックネームで、本名は別にあって、それをかなり後になって知る、なんてこともよくあります。
私は友だちの娘さんの本名をずっと知らなくて、宅配便を送るときに初めて本名を知りました。娘さんは父方の姓で、私の友だちとは違う姓なので、「そういう名前だったのか!」とかなり衝撃を受けたことを覚えています。
そして最近知り合う人たちは、「名前を尋ねると、なぜか英語名」ということも多い気がします。みなさん、カッコいい英語の名前を持っています。なんでも、英語の時間に先生が付けたり、自分で選んで付けるらしいです。
こういうところにも国民性が出ていて、おもしろいなあと感じます。
気になる中国語フレーズ
少女の救命処置がなんとか終わり、看護師たちは片付けを始めます。
助っ人の焦佳人について話していますが、名前すら知りません。
➡️叫她三千姐得了!jiàotāsānqiānjiědéle
『3,000姉さん』って呼べばいいよ。
“得了 déle“は、文末に置いて「(〜すれば)それでいい」の意味になります。
”这个病准会好,你放心得了。zhègebìngzhǔnhuìhǎo,nǐfàngxīndéle”
「病気は良くなります。安心していいですよ。」
➡️真的假的 zhēndejiǎde ほんとう? (うそ!)
日本語の「マジで?」と同じような感覚で使えます。
相手は “真的,真的!zhēnde ,zhēnde!” と答えます。
おわりに
このドラマもそうですが、今はYouTubeで気軽に中国ドラマが見られるのがとてもうれしいです。日本国内の学習者にとって、ドラマの良いところは「中国の文化や習慣を目で見て理解することができる点だ」と思います。実際に中国に行ってみると、「おおっ、これぞ中国!」と肌で感じることがたくさんあります。そのような直接体験はできないにしても、日本にいては知ることすらできない、多くの中国を見つけることができます。
今、たくさんの中国の人たちが日本のドラマやアニメを見て、日本の文化を楽しんでいます。お互いに相手の国の文化を楽しめることは、とってもステキなことだと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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