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歌丸さんのお話

 「日蓮さんのお母さんは、日蓮さんをみごもる前に日輪を飲み込む夢をみたんだってね。」
この家のお寺は日蓮宗。お墓参りへお寺まで歩く道すがら、夫へ話した。
桂歌丸さんが落語「鰍沢」の枕で話していた話である。
「へー。そうなんだぁ。お母さんは、うちの子が生まれる前、何か夢みた?」
「うーん。記憶ないね。ガリガリ君ばっかり食べてたしね。」
そんな熱そうなものは、干からびてしまうので無理です。
始祖や神童は産めなかったかぁ・・・
蛙の子は蛙・・・。

歌丸さんは、祖父に少し顔が似ていたせいか、子供の頃から好きだった。
笑点での挨拶で世相を斬るような話からも知性があって素敵だと思っていたし、聞きやすい声や話し方も、「あたくし」というところも気品あった。
なにしろ、存在から優しさが伝わってくる。

歌丸さんの落語の枕で、
学校の勉強で役に足っているのは国語、算数だけ。算数なんてのは、足し算と引き算、掛け算、割り算ができればたいてい、事足ります。その子の能力を見出して、そっちの方へ導いてやるってのが、親の役目だと思います。
能力を見出せないようなひ弱な親が増えている。
勉強しなさいだぁ、勉強ができないだなどは言わない方がいい。半分はお母さんにも責任があるんだから
とお話くださる。歌丸さんのこの枕だけで、救われたり、反省したり。
子供たちの事も、無理に頑張らせなくても良いと個性を尊重してくださる。

兄妹3人いると、三者三様。
お勉強が得意な子も苦手な子も、体操が得意な子も、本が苦手な子も・・本当に、それぞれです。
学校の先生の言う通りにできる子も、できない子も・・・。

落語の中の人たちは、喜怒哀楽に富んで生き生きしています。
みんな、楽しく、夢中になれる事に出会えるといいなと願っております。


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