突き進む情熱と揺るがぬ冷静と振り回される不安とで

先日私はジュール・ヴェルヌ氏の『地底旅行』を読む機会に出会えた。
タイトルは作品中で躍動する面々を私なりに端的に表してみた。
全ての始まり突き進む情熱ことリーデンブロック教授、不動に揺るがぬ冷静ことハンス、作中の語り部と振り回される不安ことアクセル。作品はこの3人が紆余曲折しながらも地底の未知に挑んでいく冒険譚である。
1864年発行されたこの作品。地学や地理に古代の生物を楽しみながら触れられる魅力はもちろん、冒険をする3人の個々の魅力とバランスも魅力だろうと感じられた。
凸凹3人組。
まずはリーデンブロック教授。多岐に渡る知識を持つ行動力の化身。情熱を滾らせ未知を知り尽そうと邁進している。判断力はかなり抜群。弱点があるとすれば短気で吃音、そして頑固意固地。
次にハンス。アイスランドにて山へのガイドとして登場する。屈強で無口。無感情で考えが見えない。毎週土曜日に支払いをする契約を交わしたリーデンブロック教授に従い、常に冷静で揺るがない。ハンスはハンスだ。
最後にアクセル。叔父の影響で学者になりその叔父にずっと振りわまされる作品の語り部。毎度突き当たる問題に不安を考慮して提案している(大体は家に戻ろうと言うがいつも却下されている)。
3人が手を取り意見を交わし時に迷い疲れ、未知を追い求める姿が本当に楽しい。

以前に地殻の本にままヴェルヌ氏の地底旅行の名前が出てきた。そのおかげで19世紀の名作に出会えた。地底に広がる空想的な描写やリーデンブロック教授やアクセルが説明していく知識によって読み応えたっぷりである。


ヴェルヌ氏は多くの作品を発表してくれている。
次は海底二万里や神秘の島に進もう。



#海外文学のススメ

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