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EDIBLE GARDEN:庭を食す ④りんご編

このシリーズでは、今ある「ただの庭」の植物を食べて「後付けで」エディブルガーデンと定義する試みを紹介しています。今回は、誰もが知ってる果樹・りんごですが、ちょっと変化球的に “実が熟していない時期に” 楽しむ方法を模索してみました。


葉: 「お茶」にして飲む

まぐ

枝払いで発生した大量の葉を、何かに活用できないか考えていたら、時々、地方の物産市で販売されている「りんご葉茶」を思い出し、自作してみることにしました。

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なるべく若くて柔らかな葉を中心に摘み、水でよく洗って、風通しの良いところで表面の水分を飛ばしたら、低温(180°F)のオーブンへ。乾燥が進むに連れて、庫内からは香ばしい香りが漂い、20分ほど経つと、葉はカリカリに乾燥し、サイズは3分の1以下に。もう見た目は、すっかりお茶です。

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出来上がった茶葉を、軽く一掴み、大きめのポットに入れて、お湯を注いで2分ほど。意外なほどリッチな黄金色の、澄んだ美しいお茶ができました。味は、マイルドながら甘みとボディが感じられて、美味しい。いわゆる「健康茶」は世の中様々ありますが、味わいの面では今一つ、というものもあるなかで、このりんご葉茶は、積極的に飲みたくなるお味です。

なお、より濃くしようと7分くらい抽出したところ、苦味が強く出て、個人的には飲みづらいと感じました。緑茶や紅茶よりも、抽出時間による味の変化が大きいので、様子を見ながら好みの濃さを見つけるといいと思いました。今回は時短のためオーブンを使いましたが、天日干しでも作れます。


摘果果①: 「お酒」にして飲む

さけ

摘果(てっか)とは、大きな実を育てるため、未熟なうちに行われる間引きのことで、店頭に並んでいる果物たちは、それを免れたごく少数派です。結実した実の大半が摘果対象となるため、相当な量が取れますが、果実としては利用価値がないため、そのまま廃棄されることがほとんど。

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ビジネスセンスのある果樹農家さんが、それを再利用して見事商品化したという成功事例もありますが、多くはまだまだ ”廃棄物” 扱い。我が家のりんごも同様でしたが、青梅で作る梅酒が美味しいなら、未熟りんごで作るお酒も美味しいんじゃないか?という仮説のもと、摘果果を使ってお酒造りに挑戦してみることに。

消毒したガラスの広口ビンに、洗ってしっかり水分を取った摘果りんごを入れ、梅酒作りの要領でウォッカ(※ホワイトリカーが入手できず)、砂糖を入れて、1ヶ月寝かせてみました。すると、梅酒のような、フルーティーな香りのお酒ができました。

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香りは梅酒に良く似ていますが、味は酸味がなく、りんご特有のポリフェノールの渋みがほんのり舌に残り、カルヴァドスのようなアクセントが加わって、なかなかお洒落な雰囲気です。

美味しいのですが、酸味がない分、輪郭がぼやけた感じがしたため、ライムジュースを少し加えたところ、一気に引き締まって美味しくなりました(=より梅酒感が増しました)。

梅酒の味に寄せずに、未熟りんごのこのポリフェノールの個性的な渋みを生かすには、漬けるお酒をブランデーにして、“大人な” 味わいのお酒に仕上げるのも良さそうです。いずれにしても、摘果果に大いなる可能性を感じました。


摘果果②: 「料理の下ごしらえ」 に使う

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お肉を柔らかくする下ごしらえに、玉ねぎやフルーツのすり下ろしを使う方法がありますが、フルーツは何だかもったいない気がして、試せずにいました。が、今回、摘果りんごが山ほどあるので、これで試してみることにしました。

実が小ぶりなので、すり下ろす手間が若干かかりましたが、心置きなくたっぷりと使うことができた結果、とても柔らかく上等な肉質になりました。未熟な実とはいえ、甘みはあるので、今回のように焼肉タレにはマッチしましたが、料理によっては甘みが余計になってしまう場合もあるかと思うので、その辺りは計算しながら調味していくといいと思いました。


まとめ

はな

りんごは、実がついてから、食べれるくらいまで成熟するには数ヶ月かかります。その成長をじっくり眺めるのも1つの楽しみですが、今回のように木の手入れで生じる副産物?を使って、実が熟していない時期にも楽しむことで、より親しみが湧いてくると思います。

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