ポルシェ太郎~欲望の正体とは~
羽田圭介著の小説を読むのは「黒冷水」に続き2冊目だが、十数年の時を要してしまった
端的に言ってトラウマだった
その時は作者が高校生だということしか知らず、記憶の彼方に追いやってしまった
芥川賞受賞で存在は思い出したが、やはり恐怖心から遠ざけていた
しかし最近、私の好きな本について彼がYOUTUBEで解説しているのを見て、あの恐ろしい小説を書いてた高校生はこんな陽気なおじさんになっていたのかと驚いた
そのギャップに興味を持ち、最新作にトライした次第だ
詳しい内容は帯以上のことを書くとネタバレ不可避なので、ポルシェを買った太郎の話、としか書けないが、テーマとしては欲望との向き合い方である
ポルシェを買うほど大きくなくても、欲望がある人間なら身につまされる部分は多々ある
しかし説教臭くはなく、ちゃんとエンターテイメントだ
私のようにデビュー作でトラウマを植え付けられた人でも安心して読める内容であることは保証する
個人的に、夫のスポーツタイプの車(ポルシェじゃない!)を子供が生まれるまでにファミリーカーに買い替える予定だが、これを読んだら、やっぱりスポーツカー手放したくない、て言い出しそうだな、と思うなどした
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