「屋根の上の鳩舎」昭和鳩ブーム
「僕の昭和スケッチ」画233枚目
昭和に鳩ブームと言われる時代があった。
クラスにも必ず鳩を飼っている子どもがいて、市街地でも鳩小屋がある家が見られた。昭和30年代から40年代にかけてのことだ。
だが、当たり前のことだが町中の家では鳩舎を置く場所もなく、今思えば随分危険な場所に置かれている場合もあった。
屋根の上の、しかもとても安全とは言えない場所だ。
クラスメイトが鳩を飼っていると言うので、行って驚いたのを覚えている。
「今度鳩レースに出すんや! 可愛いぞ、一緒に見んか」
と言われてハシゴの上の青空を見上げて躊躇したものだ(笑)
ちなみに、調べてみるとこの頃までは新聞社や通信社の写真等がハトによって運ばれていた。ビルの屋上に置かれた鳩舎から飛び立つ鳩の姿がマスコミの風物詩だった時代、鳩の数は新聞社によっては百を超えていたと言う。
鳩が情報を運んでいた昭和という時代、それはネット社会の今と比べれば、何と牧歌的な時代だろう。