マガジンのカバー画像

僕の昭和スケッチ

263
「僕の昭和スケッチ」は、昭和レトロを描いたもりおゆうのライフワーク画集。昭和の思い出を絵と文でお送りしています・・・毎週月曜更新予定(祝祭日を除く)。
運営しているクリエイター

2025年1月の記事一覧

お餅の思い出

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ264枚目 昨年末にも火鉢の記事でお餅のことを書いたが、子どもの頃は本当によくお餅を食べたものだ。僕はお餅が大好きだ(笑) この歳になると人生全体で子どもの頃の方が圧倒的に短いのだが、お餅を食べた記憶の大半が何故か子どもの頃のものだ。 その殆どが祖母や母親と火鉢の炭火で焼いた餅の記憶で、本当にあれは美味しかった。 我が家は母方の在所の農家に頼んで餅をついて貰っていた。 小机ほどの大きな板状の餅が届くと二、三日おいてから四角く切り分け

知的パズル・ルービックキューブ大流行

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ263枚目 6色からなる54個のマスによる不思議な立方体が売り出されたのは昭和55年(1980年)のこと。 このかつて無い独り遊びパズルゲームは発売されるや世界中で大流行。 もちろん我が日本でも! 皆さんは、やった事がおありでしょうか? これは、ハンガリーの建築学者ルビク・エルネーの考案によるもので、人類の歴史開闢以来誰も遊んだことのないゲームでした。この不思議な立方体に取り憑かれた人々はこぞって難題に挑み、世界ルービックキュービスト

「祖母のしめ鯖」

「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ262枚目 子どもの頃に祖母は冬になると毎年しめ鯖を作ってくれた。 けれど、祖母には申し訳ないが、子どもの僕はしめ鯖を美味しいと思った事は一度もない。一切れ箸で摘んで口に入れてみるが、すぐに箸を置く。 加えて我が家は父も母も大好物という程ではなかったようで、こちらもさほど箸が進まなかった。二人共揃って下戸ということもあったかも知れない。 その為か、しめ鯖の売れ行きは毎年はかどらず、祖母が殆ど一人で食べていた。だが、一人で食べていても飽