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脳を騙す

7月8日、土曜日。

ここ3日ほど、また調子が悪い。
不安感、頭痛、食欲不振、鬱特有の倦怠感。
リビングで変な時間に寝落ちしたり、夜中まで電話したりで
生活リズムが崩れたことが原因だろうか。単なる夏バテだろうか。
まあ原因は一つじゃないんだろうけど。

この日、夕方から友人2人と遊ぶ予定。
友人と休日に遊ぶのは約1か月振り。だがしかし、かなり調子が悪い。
遊びに行って、より体調が悪化したらどうしよう。

風邪でもひいたのかと体温を測るも、当然ド平熱。
ただ体調の悪さよりも、友人と会って話がしたい欲が打ち勝ったので
待ち合わせ場所である横浜に駆り出た。


めちゃくちゃ楽しかった。
待ち合わせてしばらくして、気づけば体調不良の事なんか忘れて
買い物して、飯を食って、久しぶりに酒も飲んだ。

病は気からなんて言うが、本当にその通りだと思う。
(科学に基づいて言うなら、病は"脳"からの方が正しいか。)

友人に会って体調不良が治ったケースはこれが初めてではないが
分かっていても、調子が悪い時の待ち合わせは毎回勇気がいる。

脳を騙すってなんて簡単で、なんて困難なんだろう。



7月9日、日曜日。

目覚めは良好。食欲もやや回復。

今日は夜、社会人テニスサークルの友人と打ち合う予定。
ほとんど予定まっさらな休日。
油断すると予定を組みすぎる癖があるため、あえてテニス以外の予定は入れないことにした。

失敗した。

NETFLIXを見たり、糸がほつれたパンツを縫い直したり、読み途中の本を読んだり。
のんびりしすぎて、徐々に倦怠感が込み上げてくる。
日光を浴びるために散歩をするも、気怠い。

休んでいるはずなのに、みるみる疲弊していく。

うつ病になると心身共にスタミナが落ちるため「できるだけ体力は温存しましょう」や「ペース配分を考えましょう」などとよく言われるが
律儀に温存した結果これだ。所謂、過充電状態。

この上なく面倒臭い。お前は俺にどうしてほしいんだ。


時間になり、車を走らせる。
既に疲れ切った体。朝からずっと半分寝ている脳みそ。
結果、(右手を怪我しているせいもあるが)パフォーマンスは酷いものだった。一瞬だけテニスを辞めたくなった。

ただ、めちゃくちゃ腹が減って夕食をしっかり摂取できたことと、比較的深めの睡眠がとれたのは良かった。

人間の充電にも、パーセント表示があればいいのに。



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