
2分で読めるエッセイ【子供達が学校に行っているマニマニ】№107『脳内をよぎる』
わが家で使っているラップは超有名な、サのつくラップ。
もう少し安かったらも~っといいけどな~と思いつつ、長い間愛用している。なんたって、ピッタリ気持ちよくお皿にくっつくのがいい。
あるとき、実家に遊びに行ったら母がこう言った。
「ラップ要らない? この間買ったのに、安かったからうっかり買ってきちゃった。ストックが3本もあるの。よかったら1つあげる」
みると、それは知らないメーカーの知らんラップ。
「えーワタクシ、ピタピタピッタリお皿にくっつくのが好きなんだけど」
ワタクシの心の声が漏れ聞こえたのか、母がこう続けた。
「料理するときは、フンワリ、ラップしてチンする、っていう事多いでしょ? だったらピッタリくっつかなくてもいいよね?」
確かにフンワリ、ラップしている。
そうだね!
「これ、とにかく安いから気兼ねなく使えるよ。試しに1本あげるから使ってみたら?」
と半ば強引に持たされた。
折角なので使ってみようかな。
ベテラン主婦の母の言う通り、フンワリ使うにはとってもいい。
それによく考えたら残り物は蓋つきの容器に移すことが多い。むしろ、ラップは料理に使う方が圧倒的に多いと気がついた。
おトクないいことを教えてもらったとウキウキ。
使い切ってからも、教えてもらったラップを買いたすことにした。
ところが、ある日の食後、たまたま大皿におかずがたくさん残ってしまった。うっかり
「ラップかけておいて~」
と何気なくダンナに頼んだのが大失敗だった。
「このラップうまく切れないんですけど! ピッタリくっつかないですけど! なんかモヤモヤするんですけど!」
サのつくラップが大好きなダンナ、知らんラップの悪口、三段活用が止まらない。
たった1枚、皿にラップをかけてと言っただけなのに、大騒ぎ。
も~。
結局わが家では、ラップを2種類使い分けることになった。
それからというもの、サのつくラップを買いたすたびに、
「ダンナが食後のラップの係ね」
というセリフがワタクシの脳内をよぎる。

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