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脳卒中歩行の膝の二関節筋

今日は、脳卒中者の歩行に着目した視点からこちら。


脳卒中者における二関節筋の活動が膝関節にどのような影響を与えるか?という視点で、論文からの内容を引用してまとめています!

この記事で、

・膝関節痛を訴える方の1つの要因を知ることができる

・歩行時の二関節筋の作用やバランスに目を向けることができる

・歩行分析を二関節筋の視点から考察しやすくなる

この辺の内容になると思います。

では、早速いきましょう!

関節障害と二関節筋の影響は?

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脳卒中者における歩行バランス能力低下をもたらす要因は様々ですが、


今回はこれらの中で、

筋群の共同筋収縮の低下

に着目して考えていきたいと思います。


の前に、なぜ膝関節における共同筋収縮が重要かですが、

周知の通り、膝関節は中間関節であり、関連する筋群も多く、特に二関節筋の影響を受けやすい関節であると言えます。


また、人においては荷重メカニズムから膝関節の関節異常や変形、炎症を起こしやすい関節でもあります。

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そのため、脳卒中者においても例外なく歩行中の二関節筋の関与を考慮することは重要なことの1つと言えます。


一方で、脳卒中者の歩行時における麻痺側遊脚相の特徴の1つとして、

膝関節の屈伸角度の減少

は臨床上もよく観察される歩容の1つです↓

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麻痺側遊脚相における膝関節屈曲角度の減少は、足クリアランスの低下に繋がるなど、歩容においても問題となりやすいため、改善を図っていく必要があります。


参考文献では、

膝関節の屈伸角度の減少 → 異常な筋緊張による硬さ

が最も影響していることを示唆しています。


中でも、二関節筋にあたる

大腿直筋と大腿二頭筋

これらの筋群の膝関節への影響は大きく、膝関節の硬さの原因にもなっていると考えられています(6,7)。

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特にこれらは二関節筋であるために、股関節など他関節にも影響を与えることになります。

中でも、脳卒中者においては、主動筋に対する拮抗筋の共同筋収縮が過剰となっていることが示唆されており、痙縮との相関性も認められています(8)。↓


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そもそも共同筋収縮とはどういうことかというと、

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画像のように

主動作筋と拮抗筋が同時に活性化すること

と考えられています。


つまり、先のスライドで解釈すると、


主動作筋が働く時に、拮抗筋の痙縮も同時に見られるため、共同筋収縮が生じて歩行中における筋活動バランスが崩れることで、異常歩行に繋がりやすいと解釈することができます。


共同収縮による影響は?


では、共同筋収縮は脳卒中者においてどのような影響があるのでしょうか?

先行研究によると、

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