応用行動分析 - 強化の原理-
応用行動分析は、B.F.スキナーが創設した行動分析学を、人々の生活上の困難を改善する目的で応用されたものです。
その手法にはいくつかあるが、今回は「強化の原理」について、簡単にまとめていきます。
行動科学的なアプローチの考え方として、”行動は観察ができるもの”として考える必要があります。
これら、人が行動を起こす原理のうち、基本的かつ重要な原理が「強化の原理」になります。
これは、”ある行動のきっかけ”があった後に、その人が行動を行い、その直後にその人にとって”良い結果”が起こると、その人の行動は強化されて、またその行動を起こしやすくなる
という原理に基づいています。
例えば、子どもが母親のお手伝いをするきっかけがあったとします。
何かを片付ける、掃除のお手伝いをするなど、これらのきっかけは何でも構いませんが、
その行動をした直後に、例えば、”感謝された”、”褒められた”、”好きな物をもらえた”など、
自分が起こした行動に対して、自分にとって”良い結果(良いもの)”が得られた場合、
その行動を持続して行おうとすることが、この”強化の原理”になります。
ただし、この相手にとって”良い結果”ということは、適切な行動だけではありません。
例えば、
上記のように、”強化の原理”は、一見、適切行動を作る上で良い方法の1つに考えられますが、
その人にとって、”良い結果”であれば、その行動は”強化される”ということになります。
そして、その”良い結果”は、決して”こちらにとっても良い結果”ではない可能性があることも視野に入れる必要があります。
以上のように、
上記のような物や事象の事を、一般的には”強化子”と呼ばれています。
強化子には、その人が喜ぶものであれば全てが含まれます。
例えば、
など、都合の良い反応(結果)で返ってくること全てが該当します。
一般的に、強化子には与えるタイミングがあると言われています。
それは、その行動をした”直後”です。
例えば、先ほどの子どもの例でいくと、
母親の手伝いをした子どもに対して、「ありがとう」などの感謝の言葉がその子にとっての強化子である場合、
その行動を行った直後に言わないと効果は薄れると言われています。
例えば、10分後に言われても、直後に言われた結果よりも効果が乏しいことになります。
文献上は、遅くても"60秒以内"に、その結果を与えないと、効果はほぼなくなると言われています。
行動応用分析において、”強化の原理”は基本的な考えの1つとなりますので、
子どもの行動で適切な事(こちらにとっても、相手にとっても望ましいこと)があった場合は、
即座に”強化子”を与えると、行動が継続しやすくなるかもしれません。
今回は、”行動応用分析の強化の原理”についてまとめました。
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