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歴史・人物伝~太平記・倒幕編⑦ばさら大名といえば佐々木道誉

歴史・人物伝~太平記編を再開し、今回は第7回です。

番外コラムの中で、大河ドラマ「太平記」で印象に残った出演者に佐々木道誉役の陣内孝則さんを挙げました。権謀術数に長けた武将であると共に、道誉は「ばさら大名」としても知られています。

「ばさら」という言葉を調べると、華美な服装を好んだり、勝手気ままな振る舞いをしたりという南北朝独特の美意識だということが分かりました。天皇や公家といった古くからの権威も軽んじていたとされます。

道誉は北条家に仕える武将で、後醍醐天皇の挙兵時には討伐軍として派遣されますが、足利尊氏らと天皇側に寝返って、倒幕に一役買いました。同じ源氏の系統だったので、行動を共にしやすかったのでしょう。

その後、足利尊氏が後醍醐天皇から追討を受けると、足利方だった道誉は天皇方の新田義貞軍に加わります。ところが、新田軍の形勢が不利とみるや、再び足利軍に「寝返り」をして新田軍を敗北に追い込むのです。

「寝返り」というと、卑怯者の代名詞のように言われますが、それは江戸時代以降の価値観であり、当時は「勝ち馬に乗る」ことが当たり前でした。その意味でも、道誉は時代の流れをよく見ていたと言えるでしょう。

次回は話を鎌倉幕府倒幕時に戻し、後醍醐天皇の挙兵に呼応した人物を順次紹介していきます。

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