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認知症改善という言葉への誤解

認知症改善をうたっている整体や体操、脳トレなどに抵抗感を感じる方がいらっしゃるかなと思うのですが、私の認知症改善イメージを今回は深堀したいと思います。

改善という言葉からどのような事を期待するのでしょうか?

「改善というからには徘徊がおさまるのかな」「何度も同じ事を聞くのがなくなるのかな」
「物の使い方など思い出すのかな」
「私の事を思い出してくれるのかな」
と家族様や介護者によって想像する事が違うかと思います。

認知症は脳の変性と呼ばれてますが、これらの症状を起こす原因は脳だけの問題ではないです。

認知症症状一つ一つを分解していくと認知症症状が悪化する原因としては

・栄養面・精神面・身体的原因・環境的面などがあげられると思います。

こうして分解していけば認知症症状の要因となる事は改善可能なのではないでしょうか。

栄養面の改善

栄養で考えると認知機能が低下する要因として、水分不足、過剰な糖質摂取、質の悪い塩や油の摂取など考えられます。

水分不足ですと認知症でなくても意識障害になりますし、過剰に糖質を摂取したり質の悪い油や塩などは解毒に時間もかかり内臓にも影響が出るでしょう。
内臓に影響があると疲れてイライラしたり集中力もなくなるので人の話も聞けなくなります。

精神面

社会や人に必要とされないと、人は生きる事へ意欲が出てこない場合があります。自分の好きな事があって何かに没頭できたり、趣味などがあれば意欲も湧くのですが家庭での役割がなくなり孤立してしまう場合など心配になります。

施設で認知症になられて症状が進行している方を見て来ましたが、同じ事を何度も聞いたり、自分をコントロール出来ずに不穏になったり、言ってる事がめちゃくちゃになったりと同居する家族として大変な状況になります。

だから施設に入居する訳なのですが、ここまで進行するのには家庭や社会での役割や自分の生き甲斐が影響している場合も考えられると思います。

精神的な拠り所、生き甲斐などを考えると何か手あるのではないかと思います。


身体的原因

認知症症状は脳だけの変性と捉えると改善しないと思うのですが、脳は脊髄から抹消神経となり内臓や指先までの筋肉と繋がってます。

神経はそれぞれ通り道があるので骨格が歪むと、通り道が狭くなり神経の伝達が悪くなります。
なので顔面にも神経は通いますし、匂いや目から見える映像も神経に関係します。

これらは筋肉や骨格が整うと神経伝達も良くなり改善していきます。

環境面

環境面で改善出来るのは、イメージしやすいと思います。
例えばホコリだらけの部屋で過ごし、換気もしないで狭いベッドに寝るしかないと体にホコリからダニや病原菌が入りやすくなります。
歯も磨かないでほっておくと虫歯菌から炎症が起こりイライラや痛みに耐えるわけです。

環境といえば毎日家でやる事がなくボーッとしてるのと、毎日デイサービスで役割を持って暮らしてるのでは後者が良い気がします。

よっぽどデイと愛称が合わなければ別ですが。


こうやって認知症改善を分けていくと改善する理由を少しずつ感じて頂けるでしょうか。

脳の変性があって認知症と診断されても栄養面、精神面、身体面、環境面にアプローチしてるのと、何もアプローチをしない場合を比べると進行具合はアプローチした方が進行を遅らせそうではないでしょうか。


以上の事から認知症は栄養面・精神面・身体面・環境面で改善は可能と考えられます。


この4つの要素って・・「普通に介護してると意識してるよな」


と思う方も居ると思います。


これらの事が普通の事として出来ている介護士さん、ご家族さんもいらっしゃいますよね。

私が言うのも何ですが、それだけ普段のケアに自信や誇りを持って良いと思います。


良い介護をしている方は、認知症を自然と改善している訳ですね。

ただ1つもったいないと感じるのは、改善しているのに気付いてない、本人や周りも誰も気付いてない。

「なんか最近落ち着いたね」「良く笑うようになった」「最近話してくれる」

このような話をした事ないでしょうか。

これは明らかに改善してます。そしてあなたが改善させてるかもしれません。

・改善を確認するには

結果的に改善していれば特に問題はないので、改善を確認する必要はないかもしれませんが、どうしても確認したい場合


「変えたかった症状」→何度も同じ事を聞く

「原因を見つける」→不安から何度も同じ事を聞く

「原因にアプローチ」→不安を解消する為に、好きな運動をする、不安を解消する為に安心する人の側にいる などアプローチ方法は人それぞれ

「症状が変わったか評価」→1週間にどれくらいの頻度になったか?1日の頻度は?

「考察」変化があれば方法が合っていた。変化がなければ方法が合ってなかったので別のアプローチを考える。

この繰り返しになります。

これらの記録をとって共有するのもいいですね。

まとめ

認知症改善は普段の介護でも出来ている。

確認したい場合は原因ーアプローチー評価ー考察を行う事で確認出来る

認知症改善は特別な事ではないと考えられる

となりました。

長々と書いてしまいましたが、伝わったでしょうか?

私は認知症改善は真剣に介護に関わってる方は自然に出来てる事だと思ってまして、特別な事とは思ってないです。

認知症改善という枠にとらわれず今度も良い環境を整える手伝いをしたいと思ってます

記事を読んで頂きありがとうございました。

この記事を書いた人のプロフィール

鈴木 じょう

機能訓練士として介護施設でリハビリをしながら認知症改善への相談やアドバイスを行っている。


資格 柔道整復師 ケアマネージャー 認知症リハビリ専門士 

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