#524 キネカ大森で映画「正欲」
2024.2.7.
毎月1日は、映画のサービスデー。
ということで、2月1日は仕事が休みだったので午前中から髪を切りに行き、せっかくだから映画を見よう!と検索。
ちょうど今読み始めた本、朝井リョウさんの「正欲」が映画化されていて、しかももうすぐ上映が終わってしまうようだ。
早速、これから観に行けそうなところを調べ、「キネカ大森」という映画館に行くことに。大森駅近くの西友の5階にあるという。
建物に着いてびっくり。
寂れた感じの映画館〜!(失礼)
そして5階に上がってみてまたびっくり。
寂れた感じの映画館〜!(いい意味でよ)
めちゃくちゃ味のある映画館だった。カウンターでは、映画の上映期間を書いた掲示物を切り貼り作業している形跡があったり、トイレに続く廊下には俳優さんたちの色紙が飾られていたりした。
なんか、ここで働いていたら映画みたいな物語が始まってしまいそうな場所だった。
平日の午後なので絶対空いてるだろうと、チケットは予約せず直接カウンターへ。サービスデーなのでガラガラではなく、そこそこ座席も埋まっていた。
「正欲」は座席指定だったが、他の作品のチケットを買っている人は自由席だと言われていた。そういうタイプもあるのか!早い者勝ちだな。
待っている間にロビーでコーヒーでも飲もう。
コスタコーヒーだ!しかも私が好きなフラットホワイトがメニューにある。嬉しや。ロビーにはwi-fiも飛んでいて、待ちながら作業するのによい。
さて、ここからは映画の話なので、あまりネタバレしない程度に感想を。絶対何も知りたくないという方はここまでで…。
☆☆☆
◆私は、社会で生きるのがなかなか上手な人なのかもしれない
この物語には、何人かの「生きづらさ」を感じる登場人物が出てくる。
大多数の人がしていることには価値を見出せず、自分が惹かれるものは他の人に理解されず、当たり前を押し付けられることで傷ついたり苛立ったりしながら孤独に生きている。
そういった登場人物たちに比べると…私って、この社会に結構適応して生きている、生きていけている人なのかもしれない、と思った。
それが故に、自分の振る舞いによって、嫌な気持ちになっている人がいることに気付けていないのかもしれない。(劇中にもいるのよ。一人ぼっちで可哀想だからと話しかけて、ズカズカと土足で人の家に入り込んでくるような人が…。私もそんな人になっていやしないか。自戒。)
映画「怪物」のときもそうだったけれど、自分の視野の狭さが誰かを傷つけていないかについて、よく心配になるんだな…私。
無理に共感なんてしなくてもいいけれど、全然違う嗜好をもつ人たちはいることを理解し、そうあることの自由をお互いに認め合えるといいんじゃないかな。いや、お互いに認め合うなんて無理だな。ほんの少しだけでも、想像力を働かせることができたら。
逆に、誰か1人でもいいから共感できる人を見つけられたら、それはすごく幸せなことだ。
「あなたを独りにはしない」か…。
◆俳優さんの演技力よ…
あの可愛らしいガッキーが…全然可愛くないのよ!「可愛くない」って、演技で作れるものなのね。表情やメイクやしゃべり方…そういったものが合わさって、可愛くないガッキーがスクリーンに爆誕しているから、ぜひご覧いただきたい。
どの俳優さんも素晴らしい演技をされているのだが、他にも、佐藤寛太さんのダンスシーンはとても好きだった。
◆ここで終わるか!そして、あの歌声が聞こえる…
ここで終わりなんだ!というところで映画は終わるのだが、そこで主題歌が流れ始める。
落ち着いた、ステキな歌声。どこかで聞いたことがあるような。
クレジットを追う。誰の曲だ。
あ、Vaundyーーー!
味のあるステキな映画館。美味しいコーヒー。いろいろと考えさせられる作品。いい演技をする俳優さん。耳に残る歌声。
心地よい余韻に浸りながら映画館を出た。
2月が始まった。
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