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#657 中川李枝子さんへ。天まで届け、感謝の気持ち

2024.10.20.
金曜日、仕事終わりにLINEを開くと、立て続けに訃報が届いていた。
西田敏行さんと、中川李枝子さん。

西田敏行さんは、今年「タイガー&ドラゴン」一気見して、長瀬くんとの掛け合いが大好きだったし、ドラマ「さよならマエストロ」ではほとんど座っている役だったので、母と一緒に体調が悪いのかなあなどと余計な心配をしていたところだった。


そして、中川李枝子さん。

皆さんと中川李枝子さんとの接点はどこにあるだろうか。なんだか気になって、中川李枝子さんのお名前でnoteの記事検索して、ふむふむと読ませていただいた。「ぐりとぐら」をトップ画にしている人が多かった。

そして、私はと言うと…

①光村図書・1年国語「くじらぐも」

またもや光村図書さんの公式Xより

意外に、これが中川李枝子さんの作品だと知らない人も多いのでは?と思う。作者は認識してはいなくても、この「くじらぐも」の題名を聞くだけで、懐かしい!となる人はたくさんいるだろう。

自分が学んだときの思い出だけでなく、お子さんが宿題の音読で読んで再会するなんていうことも多々ある程、長らく教科書に載り続けている作品だ。

この作品との私の一番の繋がりは、いつかの校内研究授業。

改善点が多く、その分学びも多かったので、とても印象深い思い出だ。ICTの活用については上の記事に書いた通りだし、個人研究感が強いと言われたことで、周りを巻き込むことの大切さを知った研究授業だった。

普段の教材研究より深く作者について知る機会があった。こういうのは、研究授業の良いところだと思う。教科書改訂があったので今も残っているかは分からないが、確か指導書に「作者の言葉」のようなページがあったのだ。

中川李枝子さんは、保育士をされていた。それと並行して執筆活動をしていたのだ。
あるとき、小学校1年生向けのお話を書いてほしいとの依頼を受ける。保育士の中川さんは「私は、小学校入学前までの子たちに向けて書いているので。」とはじめは依頼を断ったらしい。
その後、その話を受けるに当たって、1年生のこと、小学校のこと、先生たちのこと…などについて徹底した取材や情報収集を重ね、1年もかけてお話を考えていったそう。
◆面白い話であること
◆全国の子供たちが読むので、地域や男女などを限定しないこと
◆自らの戦争体験から、平和の象徴として校庭や空を舞台にしたこと
◆音読して気持ちのよいリズムや言葉であること
などを意識して「くじらぐも」は作られたそうだ。

作者の言葉や他の文献から私がまとめたくじらぐも制作過程

物語を作る人って、天からアイデアが降りてきてスラスラ書けるのか、いろんなことを考えて考えて絞り出すようにして書くのか、どんな風に書き上げるのだろうと不思議に思うのだが、これを読むと中川さんが後者であることがよく分かる。そうやって考え抜かれたからこそ、「くじらぐも」は今もみんなに愛される作品なのだと思う。


②「ぐりとぐら」

はい、言わずと知れた「ぐりとぐら」。PLAY! MUSEUMでもお世話になった。

ぐりとぐら展、行った証拠がこちら
大きなカステラ、私も物語の一員に
見終わった後はもちろん、ミュージアムカフェでこれをいただくよね!

夢いっぱいのお話が大好きだった。そして、大村百合子さんの絵がまたお話の雰囲気に合っている。


③「いやいやえん」

教員時代よくしていた読み聞かせ活動「朝の連続小説」で、読む本を探していた。知り合いの口コミや、朝の連続小説の書籍を参考にして選んでいたのだが、その中に、記憶違いかもしれないのだがこの「いやいやえん」が入っていたように思う。

実は今年、ふらりと立ち寄った図書館で「いやいやえん」を発見し、他の本と一緒に借りて帰ったのだ。1年生の姪2が来たときに一緒に読もうかと。結局、姪2が来たのが返却日ギリギリで、いくつかの章を一緒に読んで、途中で返却することになってしまった。

お話はとても魅力的で、すっごく厳しい園の中で怒られてばかりの主人公の男の子の周りで起きるいろんなことが描かれている。積み木で作った船がさあ…本当に海へ航海に出ちゃったりして、摩訶不思議!

中川李枝子さんは「子どもはみんな問題児」という保育士時代のエッセイ本も出されていて、子供とどう向き合うかの考え方もとても興味深い。

この「いやいやえん」も、もう一度借りてゆっくり読み直したい。



なーんて書いていたら、もうこんな時間!

ちなみに、知らなかったけれど「となりのトトロ」に出てくる名曲「さんぽ」の歌詞を作ったのも中川李枝子さんだった!


保育士、絵本、児童文学、エッセイ本、歌詞…様々な形で子どもたちの(そして大人の)心を豊かにしてくださった中川李枝子さん。本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。



#教員エッセイではない
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#児童文学
#黒板アートにも使わせていただいていた

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