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寒さの中のぬくもり。


師走に入った、肌寒い朝。

学校までの自転車を勢いよく漕いで、
目まぐるしい日々を送りながら、
けれど、この両手には、どこか穏やかな気持ちを抱えている。


自転車を漕ぐと、冷たい風を感じるこの季節。
街がキラキラと浮き足立ち始めるこの季節。
わたしが一番好きな季節。


今年はどんな一年だったか、と、
振り返ることが多くなった。


初めて出会う大きな挫折の壁に苦しみ、やるせなくて、もがき続けた一年。

たくさんのことに触れられて、人生の転機になるような一年。

そんな一年の中で、わたしの背中を支えてくれたのは、いつも、あたたかい出会いの数々だった。


『出会いに恵まれた一年』

だったと、思う。



ひとつめ。

人生で、大切にしたいと思える本たちにたくさん出会った。
その中でも今年は、凪良ゆうさんの本たちと出会えたことが、わたしの、大きな心の支えになった。

流浪の月、汝星の如く、わたしの美しい庭、
滅びの前のシャングリラ、星を編む。

凪良ゆうさんの本を読むと、自分と向き合う時間が増える。自分は、どんな風に生きていきたいのか。

特に私の中に足跡を残した言葉があった。

自分の人生の手綱は自分でにぎっていたい。

『汝星の如く』p.292

この言葉は、私の人生のコンパスになると思う。
戒めになったり、支えになったりする、大事な言葉と出会えた。



ふたつめ。

苦しい時に手を肩に添えてくれたり、引っ張りあげてくれる仲間と先輩に出会った。
言葉のない、ただそばにいてくれる優しさが心地よかった。
確かな能力を駆使して、引っ張り上げてくれる、力が羨ましかった。
遠い背中、永遠に追いつけない背中、

心から尊敬する人たちに出会えたことは、
もがき続けている日々で私が得た
たしかな財産。



みっつめ。

大好きな人に出会った。
溺れそうな日々を必死で泳いでいた時に、私を見つけてくれた人。
今では、一番に味方になって、心配してくれて、支えてくれる、大きな存在。

彼とわたしは似ているけど、全然違う。
その違う角度からの意見にハッとさせられたり、
掬い上げられることも多い。

彼といると、せまい視野が広がって、少し高いところから自分が見える。
せわしない心が穏やかさを取り戻す。

こんなにも幸せで、愛しいと思える日々を分け与えてくれる人に出会えたこの一年を、これから先何年も、大切に抱えていけたらいい。


このnoteに出会えた一年でもあった。
ここに言葉を溢した時、拾ってくれる人がいる温かさにも触れることができた。

自分では抱えきれなくて、目の前のことしか見えなってしまっていても、そこが世界の中心じゃないよ、と、教えてくれる出会いと温もりを大事にしたい。
それができれば、この先何だってできそうな気がする。



来年は、私にとって、もっと大変な一年になる。

そんなとき、寒さの中の温もりに気付けるような、穏やかな気持ちを持ち続けることが、私の来年の目標。

きっと来年は、自分で手一杯な一年になってしまいそうだけど、

寒さに晒されている人がいる時に、温かい手を差し出せる人でありたい、そのための余白を自分の中に持っていたい、と思う。



この一年で少しは大きくなれたかな、
来年はもう一歩、先に。



柚。

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