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映画 ロストケアの感想「社会の穴とは」
今日は仕事が終わって、情報収集していたら気になる映画のタイトルがあり、思わずクリックしていました。
最近映画を見ていないので、どのくらいの話題作なのか分からないのですが、「ロストケア」という映画ご存知でしょうか。
これから介護を受ける人達と介護をするご家族が増える中、他人ごとではない介護の課題を改めて考えるきっかけになりました。
⑴家族の絆
映画によると介護に没頭すると、家族との絆が呪縛のように、親やご家族を縛り付けるのだそうです。介護のゴールが親の看取りになるわけですが、その段階になると絆が深まると思いたい。でも、この思いは看護師の理想なのかもしれません。
この映画は介護を長年やっていると、介護は優しい時間、穏やかな時間ではなく、狂気にも変化する時間であると表現されているように思いました。
私は逆の経験をしたので、殺人を犯す心理状態を理解できません。それと同時に、そうなってもおかしくない状況が、刻々と近づいて来ているようにも思います。
介護保険制度の改定で介護利用料は高くなると予想されますし、働きながら介護する人や同居をする人、老々介護も増えてきます。
介護は綺麗ごとではなく、人生や健康にも大きく影響します。
家族の絆が深いと介護に一生懸命になりがちですが、介護と自分の生活の比重の割合に気を付けなければ、疲弊してしまいます。
⑵死ぬときぐらい一人の人間として
死ぬときぐらい一人の人間として、これは映画の中で言っていた言葉です。
何を表現しているのでしょうか。
私達人間は父親と母親の間に生まれ、名前を付けられ、周りからこんな女の子、男の子と周囲の人間の認識で育ってきました。
社会の価値観や人の価値観で自分が出来ていると言ってもいいくらい、私達は周りから大きな影響を受けています。
だからでしょうか、名前や性別や社会の役割をすてて、人間であることを思いだそう、死に方だけは選びたい、そんな風に言っている気がしました。
それから、延命治療に関することや、医療の進歩で自然な老いから遠ざかっている状況を表しているようにも感じました。
人間にとってあるべき姿を考えてほしいというメッセージが込められていたように思います。
⑶社会の穴はひとり一人の穴
高齢化社会となり介護自殺や介護虐待など、様々な問題が日々ニュースとなり、今回は映画となり私達に警告してくれています。
社会の穴という表現はフラクタルという視点で見ると、私達の中にぽっかりと空いている穴を表現しているのだと思います。
その穴はひとり一人違うと思います。
「心」、「愛」、「調和」、「尊敬」、「信頼」、「真」などが無くなっている状態なのかもしれません。
人間は完璧ではないから、上記のすべてを持っている訳ではありません。
自分にないものを他人が補ってくれる関係性や、助け合う、協力し合う、お互いに成長しあうのが理想だと思います。
自分の中に穴が開かないよう、一人一人が自分自身を認め、自分自身を愛し、敬うことが出来ていれば、より充足感に満ちてくると思います。
少しでも穴を埋めていきたいですね。
⑷まとめ
介護に直面した時、私の家族は絆という言葉は薄れていました。
しかし、介護をする中で、再び家族の絆を取り戻し、家族であったことを誇りに思ったことがあります。
今回ご紹介した映画は介護を否定的な要素でとらえている所がありますが、これから迎える介護の課題に私達がどのように向き合っていけばよいかヒントを与えてくれているように思います。
介護は家族の絆を思い出させる生活の一部です。
介護だけに執着するのではなく、自分の周囲を客観的に見る心の余裕を持つことが大切だと思います。
どんな場面であり、心の介護がいつでも出来るように環境を整えるお手伝いをしていきたいと思います。
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