いつもの夏休み⑥
まんぷくまんぷく。
ばあちゃんのおいしいごはんをたらふく食べたあとの幸せの満腹中枢がえらいことになる。
我が家の習慣というかばあちゃんちの習慣というかなのだが、食後にお茶を飲むのがいつもの流れ。
ばあちゃんちに行くとお茶を入れるのは私の係。
ここで余談。
ばあちゃんちのお茶はとてもいいお茶だということを大学生くらいのときに知った。
お茶はお茶屋さんで100g 3,000円で買うものだと思っていた。
スーパーで売っていることを長年かあさんと一緒に買い物へ行っているにも関わらずお茶があるという概念がないゆえかアウト・オブ・眼中というものだった。
スーパーで500円くらいで売られているお茶見てあまりの衝撃に「かあさん!!お茶っ葉が!!!お茶っ葉が500円で売られてる!!!3,000円しないよ!!!!」と一緒に買い物へ行った母さんに言ったところ「おだまり!!あんたはおばあちゃんからいつもいいものもらって飲んでるのよ!!!!!」と怒られた。解せぬ。なにゆえ怒られなければならぬのか。
ばあちゃんは他は安くてもいいから食べ物だけはいいものを食べたいという考えの持ち主なのでいつも口にするものに関しては妥協しなかった。
そしてはつが家の中でもよくばあちゃんちに行っていた私は自分後知らぬ間に自然と舌が肥えていたのを知る由もない。
余談、以上。
いいお茶とは知らないもののばあちゃんがお茶を入れるときにいつもお湯を冷ましていたのでそれをまねて急須にお湯を入れ、その後湯のみにも入れ……動作を繰り返す。
ここからで私の好きなこと。
茶筒を開けると中から香ってくるお茶のいい香りを楽しむこと。
茶筒を開けることで少し湿気るかな…という罪悪感を多少持つも、肺の中いっぱいお茶の香りで充たす贅沢なとき。
お茶を入れる者だけの特権だと思っている。
時間をかけて入れるお茶も好き。
そしてちょぽちょぽとお茶を入れる。
「ばあちゃん、お茶入ったよ」
『ありがとねぇ、まいもお茶を入れるのがうまくなったもんだ』
ばあちゃんが褒めることなんてぇのはあまりないので素直に嬉しかった。
湯のみを温めるとお茶も冷めづらいことを知っているため、ラーメンやスープカレーのお皿が冷たいと興ざめする、非常に。
倒置法をしてしまうほどには。
またまた話が道草してしまった。
あぶないあぶない。けんのんけんのん。
ばあちゃんとお茶を飲んでる時間も特に話さないこともあれば、なんてことない話をすることもある。
この時間も好きだった。
2杯目に差しかかろうかといったところで、ケーキの登場。
ばあちゃんはそのケーキ屋さんのカフェノアが好き。
たまにケーキではなくイチジクの赤ワインなどといったハイカラなものを嗜んでいた。
私はカラメルやナポレオン、ショートケーキを食べる。
自分が好きなケーキということもあるが、ばあちゃんと一緒に食べることを考えてばあちゃんが好きそうなものを選んでいた。
2人でわけながら、私が多めに食べていた。
ばあちゃんは好きなものは好きだけどたくさんは食べられないゆえ、食べたいものを食べたい分だけ食べて残らせないという点でも私がいるといいらしい。
ちなみにばあちゃんだけではなく、ねえちゃんも私といるときはそんな感じ。
友だちでもその立ち位置。
なにゆえかその立ち位置は不動である。
食べっぷりがいいから食べさせたくなるともよくいわれる。
この年でそれはいいのか…?と正気でいると言葉にできない悲しさがあるので素直に受け止めるとしよう、ええ。
幸せである。うん、嬉しいよ。うれし…うーん…嬉しい…!
今日は道草回だなあ…内容がないことを長く書くのは得意です。
話を戻します。
結論から申し上げますと、おいしいお茶とおいしいケーキを食べるのが好きだった、っちゅうわけですな。
これを書いていてやはりケーキが食べたくなってきた。
さっきはグラハムクラッカーが敷いてあるチーズケーキを冷たいカフェオレで喉を潤しながらいただきました。
お盆なのでご家族連れやお友だち、アベックが多くて賑やか。
そんな中ひとりで過ごしている。
みんなそれぞれ個々の社会で生きているのを感じながら。
2024.8.12.
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