まんぷくまんぷく。 ばあちゃんのおいしいごはんをたらふく食べたあとの幸せの満腹中枢がえらいことになる。 我が家の習慣というかばあちゃんちの習慣というかなのだが、食後にお茶を飲むのがいつもの流れ。 ばあちゃんちに行くとお茶を入れるのは私の係。 ここで余談。 ばあちゃんちのお茶はとてもいいお茶だということを大学生くらいのときに知った。 お茶はお茶屋さんで100g 3,000円で買うものだと思っていた。 スーパーで売っていることを長年かあさんと一緒に買い物へ行っている
無事(?)じいちゃんのお迎えが終わり、私は片付け、ばあちゃんはお夕飯の準備。 迎え火に使うお皿を和室にあるタンスの上に戻す。 ばあちゃんがいるお勝手に行くとお味噌の匂いが入り込んでくる。 お味噌の匂いが胃を刺激してくる。 お味噌を匙ですくい、ボウルに入れる。 そこに黄桜をとぽとぽ、お砂糖をお気持ちていどに入れてよく混ぜる。 それを見ている。 人がお料理してるの見たり、何かが出来上がっていくのを見るのが好きで。 でもばあちゃんには『手伝いなさい』といわれるので渋
日が沈み、夕暮れ時であることを教えてくれる虫。 風も昼間とは違う夏の夜の匂いが吹いている。 『じゃぁお馬さんと牛さんでも作ろうかね』 「作るの下手だからばあちゃんやってほしい…」 『せっかく来たんだからおまえがやりなさい』 「て、手厳しい」 「じゃぁまずは…割り箸を真っ二つに…」 ベキィッ… 「ばあちゃん…3対7の比率で割れた…」 『下手にも程がある。あたしが割るからあんたはきゅうりでお馬さん作ってちょうだい』 「…わかった…でも食べ物に割り箸を刺すなん
おそうめん、おいしい。 あればあるだけ食べてしまう魔の麺類。 三束食べてしまう。 そう、夏の暑さが私を狂わせる。 私の元々の食欲とは関係ないと信じたい。信じさせてくれ。頼むから。お願い。 そんなこんなで食べ終わりいつも行くヨーカドーへ。 ばあちゃんちはどこに行くにしてもバスで移動しなければならない場所にある。 1番近いスーパーは急な丘を下ったところにあるが、足腰が丈夫なばあちゃんですら危ないから行っていない。 なので基本ばあちゃんとのお出かけはバス。 バス停
「ばあちゃんち行ってくるよ〜。それじゃ8月15日」 『いつもありがとうねぇ本当。おばあちゃんも喜んでると思うよ。15日までおばあちゃんのことよろしくね』 家を出る。眩しい。 建物。眩しすぎて見えない太陽。家。ワンッ。家。建物。家。人。建物。車。車。ピーポーピーポー。車。建物。建物。バス。建物。フオォン。駅。 毎日のように見る風景を後にして電車に揺られる。 ばあちゃんちの最寄りの駅は私の地元の駅から30分かからないところにある。 ガタッ…ガタン…。ビル。
いつもの夏休み。 「(そろそろ電話しようかなあ…)」 電話するのはなんてことないが、電話をかける行為に移ることに対して面倒くささを感じてしまう性格。 重たい指で数字を押しながら耳に電話機を当てる。 『もしもし?はいはい』 "し(サ行)"がほんのりth発音の馴染みある声。 「今度の夏休み、ばあちゃんちに泊まろうと思うんだけど大丈夫?迎え火する前に行こうかなって」 『うん、大丈夫よ。おまえの予定が入ってないなら○月✕日の△△で買い物しようと思うんだけど、おまえ来
夏になると思い出す記憶。 正確にいうなれば小学校高学年から社会人数年までほぼほぼ夏休みは同じような過ごし方をしていたから染み付いていたというだけ。 いつかちゃんと文章にして忘れたくないな、と。 思ってから早数年。 今何となく書いてみようかと指をめためたと動かしている。 これから投稿することは時系列はバラバラ。 今でもなんとなぁく思い出となっていること。 noteも初めて投稿しているので(なんなら今書いてる時点でnoteに登録していない)、もし読んでくださっている