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「点滅するものの革命」を読みました。


平沢逸さんの「点滅するものの革命」を読んだ。

ワードセンスがとても好きだ。
読んでいてクスッと笑えてしまった。

これといった、大きな事件が起こるわけでもない。
普通の人たちが登場して、普通の会話を交わしていく。
その中に喜びや哀しみがあり、日々が淡々と流れていく。

人生とは、つまりはこうゆう小説みたいなものかもしれない。
別に何が起こらなくとも、ありふれた会話の中に小さな喜びを感じたりして、死ぬまでの間をただ生きていく。

それっぽいことを言ってみたが、私に人生なんてわからない。
本書の登場人物たちも思い思いに人生に対する持論を述べている。
それが納得できる場面もあれば、誰が何を言うとんねんと、鼻で笑ってしまうシーンもある。

本書には麻雀が出てくる。
私は麻雀をやらないのだが、なるほど、人生と麻雀は似ているのかもなと本書を読んで思った。
間違って捨ててしまった牌。その誤りが、後から考えてみれば最高の一手だったり。
人生も麻雀も何があるかわからないし、何が正解なんてわからない。だから面白い。

「バキバキのクリスチャン」というパワーワードが頭から離れない。
物語に大きな影響を与えるシーンではないのだけど。文章を通してこのような種が蒔かれている本書は、読んでいてとても面白い。

ユーモアの種をばら撒いていこう。
何も起こらない人生だからこそ。
平凡の中に、たまに笑える瞬間がある。

たまに点滅するからこそ、面白い。
ずっとつけっぱなしのライトでは、その明るさのありがたさに気づけない。
私の心にほのかな明かりを点滅させてくれた作者に、感謝の言葉を述べて感想を締め括りたい。ありがとうございました。

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