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人生を豊かにするのは「ノリ」と「行動」だ。〜「藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房」を読んで〜


髙森美由紀さんの「藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房」を読んだ。

ちなみに、私は裁縫とか手芸には全く興味がない。
では、なぜこの本を手に取ったか?
それは「ノリ」だ。

図書館でたまたま特設コーナーに本書が置いてあった。
興味がある設定ではなかったが、逆にだからこそ読んでみようと、その時なぜだか思えた。
結果として、私はその時の自分自身を褒めてあげたい。本書を読んだことで、人生に対する考え方が確実に広がった。

本書は「菱刺し」という青森県南部に伝わる手芸をテーマに、そこに集まる人々の日常や心情を描いている。
最初は誰だって初心者だ。
勇気を出して行動し、菱刺しと日々向き合っていくことで人生を謳歌していく登場人物たちが印象的で、勇気づけられる。

年を重ねると、新しいことをはじめるハードルがぐんと高くなる。
いつもと同じ服を着て、いつもと同じ会社に通い、いつもと同じものを食べ、いつもと同じ日々を過ごす。
いや、これも確かに素晴らしい。変わり映えのない日常にこそ、幸せは潜んでいるとも言える。

ただ、一歩踏み出すことによって見える景色がガラッと変わることも、また事実だ。
菱刺しをはじめて人生を前向きに生きられた登場人物たちのように、たった一つの行動が人生を思いもよらぬ方向へ導いてくれる可能性だってある。

「とりあえず」、興味を持ったことはやってみたい。
それが人生を通じて楽しんでいける何かかもしれないし、合わないと思ったなら辞めればいい。
辞めたとて、そこには確実に「経験」が蓄積されて、やらなかった自分よりは確実に人間として成長できている。
食わず嫌いで人生を狭めるのは、あまりにも勿体無い。

没頭できる何かがあることは幸せだ。
それはなんだって構わない。
自分が好きなことを突き詰めていこう。
その過程で、周りに素敵な人間関係が生まれる。
その奇跡的な出会いを、大切に抱きしめていこう。

とりあえず、行動。
フットワーク軽く、ノリ良く生きていくことで、人生は幅が広がりきっと楽しくなっていく。

今回、軽いノリで本書を読むという「行動」を起こした。
行動の結果、人生を前向きに捉えられるようになった気がしている。

きっとここで菱刺しでもはじめてみたら、人生は思いもよらぬ方向へと進み、きっと面白くなるのだろう。
しかし、残念ながら私の手先は絶望的に不器用なのだ。
苦手なことを無理してやる必要はない。
ただ少しだけ、少しずつ、今までのレールから少しはみ出してみる勇気を、持ち合わせて生きていたい。

きっとまだまだ人生は楽しくなる。
読んだことのないジャンルの本を読み、普段は頼まないメニューをファーストフード店で注文してみたり。そんなことからはじめてみよう。

幅広く。色んなことをやる。
同時に、「これだ!」とピンときたものは、誰がなんと言おうと、ひたすらにやり続けるクレイジーさも持ち合わせていこう。

それが何にも繋がらなくても。
何の結果も生み出さなくても。

自分が楽しけりゃあ、それでいいのだ。
人生は死ぬまでの暇つぶし。
これからも、暇つぶしを気楽に楽しんでいく。

キーワードは、「ノリ」と「行動」だ。
まずは軽いノリで、本書を読んでみることをお勧めしたい。

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