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小説が僕の人生を照らしてくれる光 〜「見つけたいのは、光。」を読みました。〜


飛鳥井千砂さんの「見つけたいのは、光。」を読みました。

育児に疲弊する女性、夫との関係や仕事に悩む女性、そして二人が共通して見ている育児ブログの著者である女性。

それぞれが抱える人生の苦悩。
きっと苦悩を抱えない人生などないのだと思います。

子供がいれば子育てに苦しみを覚え、子供がいなければ世間から向けられる冷たい視線に苦しめられ。
この人生には逃げ場なんてないのかと、悲しくなってしまいます。

3人の女性のやりとりの中で互いが自身の抱える本音を曝け出し、心が軽くなっていく描写があります。
そして前向きに行動し、人生を切り拓いていく過程が描かれています。

きっと誰しもが苦しみを抱えています。
本作のような小説を読むことで、他人の苦しみを想像する力が身につきます。
あの人も辛いんだろうなと思えれば、目先のストレスも少しは軽くなるかもしれません。

みんなしんどいよね。
人生辛いよね。
でも頑張っていこうね。

小説を読むことは、この世界に存在する誰かの苦しみに触れることだと思います。
私も辛いけど、同じように、いやもっともっと辛い思いをしている誰かもいる。

まだ見ぬ誰かの存在が、たとえそれがフィクションの世界であっても、人生を楽にしてくれることがあります。

子育て。仕事。夫婦関係。親の介護。
悩みの種は尽きることがありません。

でも、私だけじゃない。
同じように苦しみ、同じように物語の世界に「光」を見つけようとしている仲間が、この世界にはたくさんいる。

本書を読み、私は光を見つけました。
私にとって本を読むことが光に触れることであり、人生の暗がりを仄かに照らす方法なのです。

同時に、私の生み出す言葉が誰かにとっての光になる日が、くればいいなと思っています。
だからこれからも、胸の内を言葉にしていく作業を、日々続けていきたいなと思います。

互いが互いの光となり、助け合いながら生きていけたらいい。
私は光を見つけたい。いや、光になりたい。
そう思わせてくれた、素晴らしい一冊でした。

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