決めた。おじさんだけど今日から青春する。 〜「成瀬は天下を取りにいく」を読みました〜
宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」を読んだ。
青春だ。
青春すぎる。
登場人物たちがキラキラしている。
何かに没頭して、打ち込んでいく姿は見ているものに感動を与える。
感動を与えると同時に、行動した本人の心にも大きな感動を生む。
本書の構成で好きな部分は、最後の章で主人公の成瀬の目線から、その心情を含めて描かれている点だ。
それまでは周囲の目線から変わった人間である成瀬が描かれているが、最後に同じ人間である成瀬がしっかりと人間らしく悩んだり苦しんだり喜んだりする姿が表現されている。
みんな同じなんだなと、なんだかホッとして嬉しい気持ちになった。
本書を読む前は、少し気乗りがしなかった。
もういい大人な自分が青春小説を読んで、何になるのだろう。
こんな時代もあったよなと懐かしんで、虚しくなってはいお終い。所詮そんなもんだろうと、諦めににた気持ちとともにページを捲った。
物語を読み終えた私の心には、「青春してぇ!」「青春したる!」「まだ青春できるかも!」という前向きな気持ちが芽生えている。
控えめに言って、この本を読んで本当に良かった。
青春とは何歳までを呼ぶのだろうか?
高校生まで?長く見積もっても20歳まで?
おじさんが青春を求める姿は寒いだろうか。見てられないだろうか。
別にそれでも構わない。
私の人生は私だけのものだ。
誰に何と言われようが、青春してると思えたなら勝ちだ。
今青春してるわー!と思いながら生きて、人生を振り返りながら青春したわー!と充実感に浸りながら死んでいきたい。
死ぬまで青春。
安い言葉かもしれない。
でも私は、今ここから青春をしていきたい。
今ここの青春を楽しんで生きていたい。
せっかく与えられた命だ。
青春しなきゃもったいなくない?
やりたいことをやろう。
別に途中で飽きたらやめて次のことをやればいいのだし。
好きな人に好きだと伝えよう。
今夜は妻に花でも買ってあげてみようか。
青春してるおじさんはキモいでしょうか?
ありがとう。それは褒め言葉だ。
青春を謳歌するおじさん。
悪くない。きっと楽しい。
虚しくなった時には、この本を読んだことを思い出そう。
みんな誰だって、いつからだって、青春して人生を楽しむことができる。
どうせ死ぬから、どうせなら楽しもう。
みんな、青春して生きていこうな。
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