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薄いのに厚い本 〜「窓の魚」を読みました〜


西加奈子さんの「窓の魚」を読みました。

けっこう前にピースの又吉さんが読書芸人でおすすめしていた本です。

200ページくらいで薄い本ですが、その中には登場人物たちの心情が細やかに描かれていて、とても厚みのある本だと感じました。

これが「純文学」というものなのでしょうか。
何だか知的になった気分です。

4人の男女が温泉旅行に行った先で、ある女性が亡くなるミステリー要素もあります。
今一パッとした終わり方ではありませんが、それがまた余韻があっていいのでしょうね。

登場人物のある男性は、煙草を吸わないと生きていけないレベルに煙草を吸っています。
酒、煙草、クスリ。これらのものに頼らなくては生きていけない人たちに、なんとも言えぬ共感や安心感を感じてしまいます。

みんながそれぞれ何かを抱えて生きている。
恋愛小説にジャンル分けされるのかもしれませんが、何というか「人間」を言語化したとても厚みのある物語だなと思いました。

サクッと読めるのに、読後は何だか知的で高貴な気分になれる素敵な本です。
ぜひ手に取ってみてください。

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